「政治系メディアに傾倒するおじさん問題」の深刻さ

ガレソ 政治とかヘイトの投稿はアルゴリズム化によって増長しているし、それを利用して稼いでる人たちもいるってことですね。

Z李 そう。「悪貨は良貨を駆逐する」じゃないけど、これじゃまともにやってるメディアの人がかわいそうな気もしてくる。手間も金もかけ記事より、政治系サイトが適当にでっち上げたフェイクニュースのほうが儲かるっていうんだから、これも相当まずい話。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

ガレソ 本当にそうですね。

Z李 「政治系メディアに傾倒するおじさん問題」は、ずっと気になっててさ。『君が面会に来たあとで』って短編小説集を書いたんだけど、その題材にもしたんだ。

金も友達も恋人もいない、「自分は日本人」っていう自負しかないおじさんが、ニュースサイトのコメント欄で中国や韓国を叩いたら生まれて初めて賞賛されて、後戻りができなくなっていくって話。「ボクは司令官」ってタイトルなんだ。

11月19日発売、Z李の著書『君が面会に来たあとで』(幻冬舎)
11月19日発売、Z李の著書『君が面会に来たあとで』(幻冬舎)

ガレソ それ、実際にありそうな話ですね……。

Z李 この界隈の闇は深いよ。SNSしか見ないと、どんどん視野が狭くなるし、そもそもフェイクニュースだらけ。陰謀論も最近めっちゃ増えてるしね。俺なんかはもう「人類がどんどんバカになっていて、国がもたなくなるのでは」と最近ではあきらめている。

ガレソ 僕も、その傾向は強く感じています。

Z李 1年を振り返るはずの対談がSNSのカラクリで終わってしまったな(笑)。そろそろ1年の振り返りをやりましょう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班