コーヒー豆・粉の保存方法

コーヒーは生鮮食品。美味しいコーヒーを飲むには鮮度が命です。

もっとも美味しい「飲み頃」は、焙煎後1週間経過してからの1週間(焙煎後2週目)です。焙煎直後がピークではないというのが注意点であり、おもしろいところです。

焙煎直後は二酸化炭素が多いので、1週間ほど豆を寝かせたほうが炭酸が抜けて、コーヒー本来の成分を抽出しやすくなります。焙煎後2週間以上経つと、香りや風味が落ちたり、酸化してイヤな酸っぱさが出てきたりします。保存状態が悪いと品質はどんどん劣化してしまうのです。

焙煎の様子。直後にはコーヒー豆で淹れない方がいいと言われている
焙煎の様子。直後にはコーヒー豆で淹れない方がいいと言われている
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豆を購入するときは、「なるべく鮮度が高く、1~2週間で飲みきれる量をこまめに」が一番です。とはいえ、気になる豆を試してみたりするうちに、飲みきれない在庫も出てくることでしょう。なるべく鮮度を保って保存したいところです。

豆の品質劣化の主な原因となるのは「酸素」「光」「熱」です。

ガラスやセラミックなどでできたコーヒー豆容器、キャニスターに移して保存する人もいるかもしれませんが、実はあまりよい環境とはいえません。キャニスター内の酸素を抜くのは難しいうえ、たとえ密閉性が高いものでも購入時の袋から容器へ移す際にどうしても酸素に触れてしまうからです。ガラス製であれば光にも当たってしまいます。

おしゃれなカフェやコーヒーショップでは、キャニスターなどであえて豆を見せていることもあります。焙煎前であれば品質劣化の心配も格段に少ないので大丈夫です。焙煎後だとしても販売の回転が速ければ問題も少ないのです。

あるいは、豆の鮮度に気を使っていない店という可能性も残念ながらないわけではありません。「カフェでコーヒーを頼んだら、カウンターに野ざらしのキャニスターからコーヒー豆を取り出した」なんてことがもしあれば、次からはお店を変えることをおすすめします。

少し話が逸れましたが、家庭で豆を保存するなら、酸素、光、熱からなるべく遠ざけるために、購入時のパッケージのまま冷凍庫で保管することをおすすめします。豆を使う際は、解凍することなく凍ったままグラインダーで挽いて問題ありません。

粉の場合は表面積が増えるため、劣化が早くなります。これはどうしようもありません。開封したら1週間以内に飲み切りましょう。