導入費込みで1隻6000億円、韓国の国防費の8%

このように核がからんでくるとIAEA(国際原子力機関)やNPT(核兵器不拡散条約)などの国際機関や条約の敷居は限りなく高く、通常の装備品の値段でコスト計算は困難だ。

ちなみに単純に計算すると、米バージニア級原潜の米国での値段は約3000億円。韓国が購入できたとしても導入費なども入れると約6000億円。一隻だけでも韓国の国防費の約8%にあたるし、最低でも3隻はないと運用できない。

韓国「原潜は国内建造」発言の衝撃…「米国での建造」で“承認”したトランプ大統領は燃料供給を容認するのか?_4
すべての画像を見る

韓国『中央日報』によれば、「韓国大統領室は7日、韓米間の関税・安保分野の交渉結果を反映した『ジョイント・ファクトシート』(共同声明文)発表に関し、『安保分野で一部の調整が必要であり、話が進行している状況』と明らかにした」とだけ報じ、現在、否定も肯定もしていない。

むしろこのいつ終わるか分からない「ファクトシート」の最終書類作成が原因なのか、10日に予定されていた李在明大統領と財界総帥たち(サムソン、SK、現代、LGなどの会長ら)との懇談会が急遽、キャンセルされたことも発表され、不透明感は増すばかりだ。

一方で米側のヘグセス国防長官は「原子力潜水艦導入と関連して他に関連機関である国務省エネルギー部などと緊密に協力する」「トランプ大統領は大韓民国がより大きな能力を持つことに対して心を開き(原潜建造を)承認した」「韓国は造船業で世界的な能力を備えており、潜水艦だけでなく水上艦での協力も拡大・深化していくことを望んでいる」と原潜建造の支援はするものの、韓国国内で建造とは一言も触れてない。

果たして本当に韓国に原潜は誕生するのか。

文/世良光弘