巨人の野球はつまらなくなったのか?
ところで、2025年シーズン中には、「巨人の野球はつまらなくなった」という言葉をよく耳にした。絶対的なエースもいなければ、胸を躍らせてくれる強打者もいない。走攻守のすべてにおいて平均点前後の野球を見せるだけで終わった。
2024年オフには、中日のライデル・マルティネスを12億2000万円という破格の年俸で獲得した。これによって8回を大勢、9回をマルティネスに託すことになり、多くの巨人ファンが「これで後ろが盤石になる」と安堵した。
だが、ことはうまく運ばない。大黒柱だった菅野智之の退団後、頼みの戸郷翔征やフォスター・グリフィンが不振や故障で次々に離脱。すると、1年前にリーグ優勝した同じチームとは思えないほど、先発陣が脆弱なものとなった。
結局、シーズンを通じて優勝争いに加わることなく、126試合を消化した時点で阪神に早々と優勝を決められてしまう。情けない戦いに終始した1年となった。
ほかのチームのファンと違って、冷静に試合の流れを読めるのが、巨人ファンの特徴だ。「ここで勝負が決まる」という場面で、得点できなかったら、サッと席を立って帰路につく。
7回裏が終了して、2点差以上ついて巨人が負けているとき、一塁側の観客が次々と通路を登っていく様子を、私は東京ドームの解説者席から数えきれないほど見た。
長嶋さん亡きあと、野球界、とりわけ巨人の行く末は厳しいものになるんじゃないのか。
2025年はそう悲観的にならざるを得ない1年だったように思える。
文/江本孟紀 写真/shutterstock













