ニューヨーク流 休日の過ごし方
週末の朝はゆっくり起きて、自宅の庭でパートナーと朝食を取るのが、私たちの定番です。
私はよくシャクシュカ(トマトソースの上に卵を割り落として焼いたイスラエルでよく食べられる料理)やオムレツ、もしくはブリトーをつくります。パートナーが朝食をつくるときは、ベイクドエッグがよく出てきます。
庭で朝ごはんを食べていると、鳥のさえずりが心地よく、初夏にはキツツキの声も聞こえてきます。リスやアライグマといった小動物に遭遇することも珍しくありません。
パートナーはキツツキに「ルチアーノ」、リスは「ズスカ」(スロバキア語でスーザンの意)という名前をつけて呼んでいますが、アライグマは「ラクーン(raccoon)」と、なぜか英語そのまま。今度、もしアライグマに遭遇したら、なにかちゃんとした名前をつけようと思います。
さまざまな人種が暮らすニューヨークでは、食文化も豊かで、グルメも大きな魅力です。私たちも休日のブランチには、月に1回の頻度で、まだ行ったことのないお店を探索しています。友人のバースデーパーティーに出かける週末の夜もありますが、予定がなければ、ストレッチなどをして適度に体を動かし、YouTube動画の制作に追われ、静かに過ぎていきます。
ここまでは私の地味な休日の過ごし方をお話ししてきましたが、ニューヨーカー、特にアッパー層の休日の過ごし方を語る上で避けられないのが「アップステート」です。
アップステートとは地名ではなく、ニューヨーク州の北部に広がる広大な地域のこと。ニューヨークシティ(NYC)からは、車で2〜3時間の距離にあります。夏はハイキング、湖でのボート、水泳、冬はスキーなど、四季折々のアクティビティを楽しむことができます。
NYCのアッパーマス(準富裕層)は、高い確率でこのアップステートに別荘を持っています。アッパーマスの基準はだいたい年収20万ドル、日本円にして年収約3000万円の世帯といえばイメージがつくでしょうか。
平日は都市部でバリバリ働き、週末は自然豊かなアップステートで自然に癒やされ、エネルギーをチャージする……そんなメリハリのある過ごし方が、アッパー層のライフスタイルなのだと思います。
20代の頃に働いていた職場の上司にも、アップステートに別荘を所有している人がいました。けれど、当時の自分はお金もなければ、車も持っていない。「平日の激務で疲れ切っているのに、週末わざわざ時間をかけて移動するなんて面倒だ」。そんな風に感じていました。
一方で、「でも、私もいつかは、自然豊かな場所で週末を過ごすようになるのかな」などと漠然とした憧れも抱いていました。
しかし、「いつか」は、ただぼんやりと待っていても永遠に訪れてはくれません。「いつか」ではなく、行動するのは「今の自分」なのです。私も40代中盤になったこともあり、アップステートでの別荘購入を本格的に検討するようになりました。
とはいえ、今の私は節約家のミドル階級。別荘の購入は単なる消費行動ではなく、あくまで「投資」の一環です。別荘を自分が使わないときは民泊として貸し出し、その収益をローン返済にあてるのが主な戦略です。
「これだ!」という物件には、いまだ巡り合っていませんが、これからは物件の下見を兼ねて、アップステートを訪れる機会が増えていくかもしれません。
アップステートの中でも、コールドスプリングという街は紅葉がキレイでハイキングにもおすすめ。またウッドストックもヴィンテージショップやカフェなどが充実しているかわいらしい街です。
日本では、「ニューヨーク」というとマンハッタンやブルックリンなどNYCのイメージが強いと思いますが、機会があれば、雰囲気が異なるアップステートに足を運んでみてください。













