「バイク放火事件」よりも怖い高校時代の小林の寄行
—何があったんですか!?
小林 バイクを駐車場に停めてて、カバーして。盗難が流行ってたけど、さすがにカバーしてたら安全やと思ってたんですよね。
—何乗ってたんですか?
小林 リトルカブ。
友保 色なんやったっけ?
小林 限定カラーのデニムブルー。
友保 うるさいねんな。「デニムブルー」マジでうるさい、しんどいわ(笑)。ブルーでええやん。
小林 いや、デニムブルー。ブルーはまた別色であったから(笑)。珍しいから見られたら盗まれるって感覚はあった。
友保 まあまあ当たり前やから。あの街じゃ常識やからね。
小林 ほんまに常識やったんで、だからカバーしたんですよね。盗難防止の振動きたらアラーム鳴るやつもつけてた。バイク屋の人に僕の住所見ながら、これ絶対つけた方がいいよって言われて。
—どんな地域なんですか!
小林 だからカバーしてたんですけど、それがよくなかったのか。ある日、自分のバイクが燃えてるのを僕が発見したんですよ。普段はしないですけど、たまたま素振りしに駐車場に行った。当時、高2の中盤くらいにみんな野球やりだして、高3で軟式野球部を発見して入ったんで。その時期やったと思う。
—え、高3から部活入ったんですか?
小林 高3で「軟式野球部があるぞ」って知って入りました。で、素振りしに外に出たら駐車場から煙が見えて見に行ったら、僕のバイクが燃えてて。自分で消火器持ってきて消したんですよ。カバーを剥がしたらデニムブルーが真っ白になってた。
一応、業者を呼んだら、「ギリ直せます」ってなって。大事なエンジンは燃えてなかったんで、けっこう金はかかったんですけど、限定カラーやから直してもらいました。
修理してからしばらくしてバイクで大阪の有名な心霊スポットに行って、帰り道で単独事故を起こしまして。お化けの仕業で。やっぱり、お化けが一番怖いな。
友保 それで結局バイクがお釈迦になってな。
小林 しかし、いまだに犯人の意図がいまだにわかんないんですよね。なぜバイクではなくカバーから燃やしたのか。
友保 そんなん単純やん。「あ、バイクやん、よっしゃ盗んだろ…(カバーペラッ)うわ、デニムブルーや、ダサッ! あかんあかん、燃やせ、燃やせ」に決まっとるやろ。
—それにしても、バイクを燃やされたことより、高3で初めて軟式野球部を発見して入部した小林さんのほうが怖かったです。
小林 やっぱり人間がいちばん怖いな。
取材・文/西澤千央 写真/石垣星児

















