大学生は「コスプレは金かかるんでできないっすよ」

一方でコスプレをせずに、参加する人も少なくない。都内の大学へ通う20代男性2人は、「雰囲気だけでも楽しめれば」と語る。

「ハロウィンに来るのは初めてのこと。去年は友達2人の予定が合わなかったので、ハロウィンの参加を断念しました。今年はたまたま予定が合ったので、参加しようとなったんです。でも、コスプレは別にいいかな。雨でもあるし。日本人のコスプレ、こんなに少ないんだと驚きました。ハロウィンに初めて参加してみて、外国人がこんな多いんだってびっくりしました。外国人はやっぱり、アニメのコスプレをしていますよね」

渋谷マークシティ下にて(撮影/集英社オンライン)
渋谷マークシティ下にて(撮影/集英社オンライン)

別の20代大学生は、「コスプレは金かかるんでできないっすよ。ただ一緒にブチあげたいっていうのもあって、来ちゃいました。やっぱ雨で人少なく外国人が多いですね」と、テンションを下げながらクラブ街へ消えていった。

渋谷区のセンター街の交番には、毎年多くの相談者が訪れたものの、もぬけの殻ともなっていた。近くでゴミ収集を行っている清掃スタッフによれば、

「ゴミステーションを開設しており、ゴミをここでは受け付けています。去年と比べて、ゴミの量が半分以下です。まだ昨日の方がゴミはありましたね。今日は12時の時点でまだ2つしかありません。

雨の影響が大きいと思いますが、人通りもやっぱり去年と比べて少ないです。ゴミもそこまでひどく落ちているわけではなく、ポイ捨ても少ない印象。きれいな渋谷なのかなとは思いますね」

ゴミステーションにて回収された2つのゴミ袋。午前0時過ぎ(撮影/集英社オンライン)
ゴミステーションにて回収された2つのゴミ袋。午前0時過ぎ(撮影/集英社オンライン)
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渋谷区で警備に当たっていた警察官はこう明かす。

「12時を超える現在では、スクランブル交差点で警察官が女性に蹴られたという話だけ聞いています。外国人観光客同士のトラブルや、日本人と外国人が揉めたなどは聞いていません。いつもこんな平和だったらいいんですけどね…」

去年であれば石破茂元首相のコスプレなど当時の世相を表すものもあったが、今年は異なり、あまり見られなかった。外国人がほとんどだったせいもあるだろう。

24時、雨が小降りとなり終電でナンパに渋谷に訪れていた埼玉建在住の30代のほろ酔い男性は「日本人いないじゃん、どこの国かと思ったわ!乗っ取られちゃったの?(笑)」と寂しそうにスマホをいじっていた。

例年とは違う顔をみせた渋谷のハロウィン、来年は果たして…。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班