「要するに調整に失敗したんです」
「田久保劇場第1幕が終了しまして、今度第2幕に入るか入らないか、素直にエピローグへ行ってくれるのかっていう感じですね」
2回目の不信任決議案が可決され田久保氏の失職が決まった10月31日午後、市議会の青木敬博副議長は市長がカムバックしてくることに警戒を隠さなかった。
決議案の賛否は賛成19人対反対1人。定数20の10月18日の出直し市議選で田久保氏を支持するとした候補者は1人しか当選しなかった。これが学歴詐称問題に端を発した騒動の末の、田久保氏に対する民意のように見える。
この状態で再度市長選に出馬しても、5月に3選を目指した現職との一騎打ちで逆転勝ちし当選した時のような風は期待できないというのが常識だ。だが状況はそう単純ではない。
「出直し市長選には実施が決まる前からもう6人が名乗りを上げています。知名度が高いのは田久保氏に敗れた元市長の小野達也氏(62)と、前市議で今回市長への転身を図ろうとする杉本憲也氏(43)です。ほかに以前から市長選を見据え準備してきたとみられる会社役員らもいます。
特に、田久保氏の当選は小野元市長の不人気も大きな原因だったため、当時の与党の自公などを中心に小野氏以外の人物での一本化が模索されたんです。そこで杉本氏が先に名乗りを上げたのですが、小野氏も出ると言って聞かない。
要するに調整に失敗したんです。この分裂は田久保氏側には有利な状況と映るでしょう」(市内の建設業界関係者)













