家電への投資は「使用頻度で決める」

––––家電にお金をかける・かけないの線引きは、どのように判断していますか?

これは簡単で、「使用頻度」です。どれだけ使うかで決めています。

例えば私は35万円くらいするパナソニックの最上位洗濯乾燥機を使っていますが、1日3回は稼働しますし、外に干す手間もなくなる。だから高くても価値があります。掃除機も同じですね。

一方で、フードプロセッサーのように数週間に一度しか使わないものはコスパが悪い。使用頻度で割り算して、一回あたりのコストを見れば“投資すべき家電”が自然に見えてきます。

––––家事において「家電に頼るのはズルい」「手間をかけるのが愛情だ」という考え方も依然ありますが、それについてはどう思われますか?

それはテクノロジーへの考え方の違いだと思います。生活のいろいろなシーンで最新技術に頼っているのに、「家事だけは手作業じゃないとダメ」とするのは矛盾ではないかなと。もちろん、全部自分でやりたい人を否定するつもりはありません。でもそうでないなら、効率化できるところは機械に任せるのが自然。家電だけ例外扱いするのは不思議ですよね。

取材中はノンストップで家電愛を語ってくれた
取材中はノンストップで家電愛を語ってくれた

––––普段、どのような基準で家電を選んでいますか?

基本的には、気になったものは一度自分で買って試します。使ってみて合わなければ、売るか、人にあげるか、返品します。Amazonで買う場合も、品質が悪かったり互換性がなかったりしたら返品ポリシーに従ってすぐに返します。レビューやスペック表だけを見ても、本当の使い勝手はわからないんです。

その際、「自分が必要としていることが、きちんとできるかどうか」を見極めます。

たとえば最近モバイルモニターを3台買って、2台返品しました。16:9の表示比率と求めていた給電方式を両立できるものがなかなかなくて、実際に使わないと分からないんですよ。いちいち電源やバッテリーをつながなければならないような製品は、結局使わなくなります。

「これだと使わなくなるな」と思うような家電は、最初から買わない。人間って、繰り返しの行動に20秒以上手間がかかるとやらなくなるものなんです。だからこそ、操作や準備にストレスを感じないことが、私にとって大事な選定基準のひとつです。