人ではなく、「プロセス」をマネジメントせよ
マイクロマネジメントの一番の問題は「人」を管理しようとすることです。自分自身が正しいと思うやり方を相手に当てはめてしまうために多くの問題が発生します。組織やプロジェクトには多くの人間が関わり、膨大な数の仕事が発生します。その仕事の方法をすべて型に嵌めようとするために、その手段として手近な人をコントロールしようとしてしまうのです。
しかし、その方法では前述の通りマネージャー自身の時間と意識、労力が奪われてしまうため、結果的にコントロールしきれなくなる可能性が高くなります。
適切なマネジメント方法は人ではなく、プロセスをマネジメントすることです。適切な期間を定めて、必要な目的や目標が達成されているかどうかを確認する時間を設け、その際に相手の考え方や抱えている課題、進捗状況を確認し、マネージャーとして必要な措置(他部署や顧客との調整や交渉など)を講じるようにすることで、プロセスをマネジメントするのです。
部下やメンバー、または作業が多い場合は定例の際に多くの時間を使わないようにするために、ツール(スプレッドシートやタスクマネジメントツール)を活用すると良いでしょう。
また、報告を受ける際は相手の考えを頭から否定しないことも重要です。仕事の進め方は唯一の正解があるようで、実はそうではないことも多々あります。
たとえば、マネージャーがプレイヤーだった時代には適切だった進め方が、時代(顧客の意識や環境)の変化によって適切ではなくなっている可能性もあります。
ビジネスは人と人が進めるものであるため、Aという顧客では正しかった対応が、Bという顧客では部下やメンバーが考える方法のほうが適切かもしれません。まず相手の考えをよく聞いて、妥当な場合はどんどん取り入れると、相手はより意欲的に働けるようになるでしょう。
文/橋本将功