UCLA卒の長女に放った加藤鷹の名言
鷹氏は一貫して「勉強しなさい」は一言も言ったことがないそうだ。
「ただ長男には3歳の時から空手をやらせてて、礼節や謙虚さを体感してもらいたかった。俺は勉強に関しては『勉強より大事なことがある』とだけ言いました。
UCLAを卒業した長女は、医薬品メーカーに就職しましたが、今回『子育て論』の取材を受けることになったから俺に一番懐いてる長女に聞いたんですよ。俺から言われた言葉で何か印象に残ってる言葉あるかって。そしたら『頭は帽子をかぶるためにあるんじゃない。使うためだ』って言葉らしいです。適当でしょ?(笑)」
鷹氏は「長男には厳しくしたが、娘はただただ可愛がった」のだという。妻からは「長男に厳しく当たらないで」と言われたこともあるようだ。
「妻からしたら長男は余計に可愛かったのもあったろう。中学校に入り、息子に本格的にサッカーをやらせたいという妻と、空手は続けさせたかった俺がいて、もちろんそこで俺は妻の意思を優先するんですが、それ以降、教育方針でぶつかることはあったように思います」
その後、2011年に妻より「仕事と子ども、どちらを取るか」という究極の選択を迫られると同時に「離婚」を突きつけられた。
「俺にはその選択肢でいえば仕事しか取りようがないから。それに離婚をしても父親であることに変わりはないので、当時の財産のほとんどを妻に託しましたし、その後、妻と子どもは長男のロサンゼルス・ギャラクシーのユースチームを目指してLAに移住したので、養育費も送りました。
元妻も俺への父親としての信頼を失ったわけじゃなかったろうから、元妻から日本時間の夜中に、すっごいくだらないことで相談の電話がきたときは驚きましたよ(笑)」
そんな時間もはばからず電話相談をしてきた“くだらないこと”とは何事か。
「いやー。息子の部屋を開けたらちょうど自慰行為中だったと。無言でドアを閉めたけど、この後どう対処すればいい?って。いやいや対処は不要だと。何事もなかったように接しなさいと。
世の奥様方にもお伝えしたい。息子の自慰を目撃したら間違っても『見てごめん』は言わないように。かえって傷つきますから。ガン無視でお願いします(笑)」
現在、鷹氏は都内で一人暮らしだが、娘らが彼氏を連れて遊びに来ることもあるし、昨年は元妻の親族の葬儀にも参列したようだ。
「そのとき、ひさびさに元妻側の親族ともお会いできて『元気でよかった』なんてお互い言い合いまして。お互い離れて暮らしてますけど、こうして生きて会えることが何よりですねと。俺も来年から、アジア移住の計画を立てているので、元妻や子どもらが日本に帰ってきたときのために、日本の仮住まいを羽田空港近くにしようかなとか、色々と考えていますよ」
66歳にしてアジア移住を計画しているという加藤鷹。後編ではその移住先での今後について聞く。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班