意外な難敵!? CS進出してほしくないあの球団
ただ、阪神は2023年にも9月18日にリーグ優勝を決め、CSファイナルでも広島を相手に3連勝。危なげなく日本シリーズ進出を決めて球団史上2度目の日本一へと繋げてみせた。今季の主力はそのほとんどが2年前の日本一を経験しているメンバーだけに、過去の経験を活かしてCSまでに万全のコンディションを整える準備もできている。
そのうえで、CSファイナルに上がってきた場合に「怖い」球団といえば、やはり中日になるだろうか。今季の阪神はセ・リーグ各球団に対して圧倒的な強さを見せたが、優勝決定時点で唯一、中日戦だけは10勝10敗の五分。先発投手で言うと柳裕也が2先発で防御率1.50、涌井秀章が3先発で同2.00、松葉貴大が3先発で同1.42と苦手としている。
ただ、阪神は優勝決定時点で中日との対戦を5試合残しており、なおかつそのすべてが甲子園での開催。CSを見据えるのであれば、この5試合で最低でも勝ち越し、できれば圧倒的な強さを見せつけておきたい。シーズン終盤にしっかりと勝っておけば中日に「やはり甲子園では阪神に勝てない」というイメージを植え付けることができるからだ。
さらに気をつけたいのが、選手のコンディショニングだ。今季の阪神は目立った故障者もなく、シーズン通してほぼ固定メンバーで戦うことができた。特に打線は1~5番をしっかりと固め、「得点パターン」を確立。
ただ、裏を返せばCSまでの1カ月強でレギュラーメンバーに「アクシデント」が起きると、盤石の得点パターンに歪みが生じる恐れがある。前述した「実戦感」はキープしつつも、決して無理をし過ぎず、シーズン終盤~CS開催までの期間で適度に休養を取ることも必要かもしれない。
これに関しては選手本人だけでなく、藤川球児監督のマネジメントも重要になってくるだろう。ただ、藤川監督は今季、主力メンバーは固定しつつも一軍で55人を起用(9月7日時点)するなど、有事への備えもしっかりと整えてきた。もちろん、離脱者が出ないことが理想だが、「何かがあった」場合こそ、藤川監督の腕の見せ所と言えるかもしれない。