父の遺体を1日放置…学校は問題の大きさを認識できず
事件は14日深夜に明らかになった。地元紙の記者が語る。
「自宅で父親を殺害したとして、14日にAがJR桐生駅前の交番に自首したことで発覚。15日に逮捕され、16日に前橋地方検察庁に送致された。事件発覚時、母と妹は県外へ外出していた。
群馬大学の司法解剖によると、父親の死因は出血性ショック。首や腹に数十カ所の傷があった。死亡推定時刻はAが自首する1日前の13日午後ごろ。遺体は約1日、家に放置されていたことになる」
Aは出頭するまでの間、「14日午後に市外でのイベントへ友人と行った」と供述しているという。#2で詳報したように、Aは同級生らに「家に極力帰りたくない」「お父さんが嫌い、性格が合わない」と話し、友人宅を泊まり歩いていたという。
また7月20日にはA宅にパトカーが来る騒ぎになり、Aは友人らに「父とケンカをしてしまった」と話し、もみ合いや殴り合いにもなったなどと明かしていたという。
Aが通う中学校の関係者が重い口を開く。
「学校としては、Aは校内でトラブルをおこすこともなく、家でのパトカー騒ぎや、ほかのトラブルもまったく聞いていない。ただ、父親に反抗しているという情報は前々からありました。
とはいえ、『自宅に帰りたくない』などとは、教師陣には言ってこなかった。Aがそこまで思い詰められていたのかと考えると後悔の念に駆られる」
別の学校関係者は、「父との仲の悪さの原因は、ネットで書かれているように『医者になれ』とか『勉強しろ』とかそういう話ではない。性格が合わないとか、気に入らない、むかつく、注意されるとかそういった類の話です」と明かす。
「前々からいろいろと話を聞いていたものの、ここまで大きな問題だったとは想定ができなかった。もうちょっといろんなことに気付いてやれていたら…と、職員みんなが思っている。
もしかしたらSOSを見逃していた可能性もある。学校側の対応が適切だったのか、検証が必要です」(別の学校関係者)
PTAの一部の幹部らは15日、学校側から事件があったことについて電話で説明を受けていたと明かす。学校は、特定されるのを避けるためか、保護者説明会は行なわない方針だという。
Aが通っていた市立中学校の校長は「個人情報に関わるため、申し訳ないのですが取材には答えられないのです」と話した。