実はコスプレイヤーも臭いを気にしている
ブースを訪れた参加者は、消臭ブースについて一様に好意的な感想を述べた。
「一昨年参加した際、列に並んでいる前の男性の臭いがキツくて気持ち悪くなってしまい、倒れてしまったことがありました。この暑さだとどうしても臭いは避けられないので、このゲートを会場の入口に置いて、参加者全員が通れるようになればいいのにと思います(笑)」(30代・会社員・女性)
「コミケには10年参加していますが、臭いだけでコミケが敬遠されるのは悲しいので、前向きな取り組みはしてくれるのはありがたいです」(30代・会社員・男性)
実際に消臭スプレーを噴射された男性は、「お風呂に入ってコミケに行こうみたいな記事を見てきたんで、会場でも臭い対策ができるようなブースがあってよかったです」(50代・男性)とのこと。
コスプレイヤーの成瀬いなさんのファンだという男性も、
「このブースがあることで、臭いって気になるかもなって意識がより強くなりました。密着して写真を撮影してもらうので、そのときの罪悪感も減ります」(40代・会社員・男性)
いっぽうで参加者だけでなく、通気性の悪い衣装に身を包むコスプレイヤーも臭い問題に悩まされているようだ。
「夏でも分厚い衣装を着ることがあって、実はすごく汗でムレるので。ツーショット撮影のときは、自分も臭っていないか気にしちゃいます。コミケについては、SNS上で臭いに対するネガティブな意見も多いので、激臭対策ブースが登場したことに対して、私のフォロワーさんも、ついにそういうブースが出てきたと好意的な反応を示していました」(コスプレイヤー・神湊しおさん)
「野外での撮影もあって汗をかくので、臭い対策は避けられないです。私は去年もこのブースに参加したのですが、それからはプライベートでも消臭スプレーを使うようになりました。かけると全然違うので、世の中の人みんながこれをかけてから、出かければいいのに~と思います(笑)」(コスプレイヤー・菊池遥香さん)
今年のコミケも人が密集するエリアや行列から汗の臭いが漂うことはたしかにあった。多くの参加者が万全な対策で臨んでいるが、猛暑の中で空調が効きにくい状況で人が密集すれば、汗をかき、臭いが発生するのは避けられない。
株式会社ワカヤマの商品や取り組みが、コミケ会場の激臭問題の解決の糸口になることを期待している。
取材・文/福永太郎