令和ロマン・くるまに攻略されてM-1は終わった

二郎 吉本との関係は今どうなの。

友保 わしら吉本とはズブズブですよ。事務所なかったら何もでけへん。

小林 劇場もあるし、吉本以外だと自分たちでいろいろやらなあかんでしょ。

友保 とにかく楽して稼ぐことが大事なんで、吉本ならある程度いけば仕事もまわしてくれますし。

二郎 ギャラのほとんどを事務所に持っていかれるとかって、吉本の芸人はよくネタにしてるけど、実際はほかの事務所でもエグいところはあるからね。ネタにされてないだけで。なんなら、取り分の割合を知らない可能性すらある。

友保 おそろしい話や。

──今の若手は賞レースをきっかけに世に出ますが、それ以前は事務所の売り込みなどが強かったのでしょうか。

二郎 いや、事務所というより、テレビの作家なりディレクターなりがライブを観に来て、おもしろいと思ったやつに声かけて、わりとじっくり面倒見てましたよ。もう今はそういう足を使って見つけに来る人も、育てて面倒見る人もいない。事務所も賞レースが終わったあと、1位2位3位と順番に声かけるだけでしょう。

友保 賞レースで結果出さないと事務所は仕事くれないですからね。

二郎 吉本だけじゃなく、ほかの事務所も同じよ。準決勝に行ったとか決勝に行ったとかなると、急にマネージャーがついて仕事を入れる。本来マネージャーの仕事は、おもしろいと思った芸人をどうにか売ることのはずなのに。あのダウンタウンだって、大﨑(洋)さんがそういう存在だったんだから。

ハチミツ二郎
ハチミツ二郎

──近年の「M-1グランプリ」は、どう見ていますか。

二郎 審査員の芸人たちがまわりの目を気にしすぎているせいで、どんどん点数が上がってますよね。つまりそれは、審査員のレベルが下がってるってこと。何より去年(2024年)、令和ロマンに連覇されて、(髙比良)くるまにM-1そのものを攻略されたところで終了なんですよ。

ここまできたらもう一度、出場資格を芸歴10年未満に戻したほうがいいとは思いますけどね。