「修理してもらったら約4万円ですよ!」
ミュージシャンで文筆家の掟ポルシェ氏も自身のXで、ビルの窓拭きのバイトにおける『熱割れ』に関する思い出をこうつぶやいていた。
《ビルの窓拭き時代、夏場ガラスが割れるというクレームがある度に「熱割れと言いまして、ガラスが熱で膨張することによって割れることがありまして」と社員さんが説明するのをよく見た。あの時は「嘘臭え〜」と思ってすみません!》
しかし窓拭き会社にどんなクレームが入ったというのか。掟氏に当時の話を聞いた。
「若手時代に7年間ほど窓拭きバイトをしてました。窓拭きにはブランコ型とゴンドラ型がありますが、そのどちらも位置を固定するために窓に『吸盤』をつけるんですよ。特にブランコ型の窓拭きの際は、体の位置を固定するためにビタッと力強く貼り付けるので、クレーム内容的には『吸盤をつける時の力が強くてヒビ割れたんじゃないの?』って言われました。
だから社員の方が『ガラスが熱で膨張して割れることがあるんです』と説明したんです。でも僕、当時は『社員は嘘をついている……』と本気で思ってしまってました。20年前の夏でも『熱割れ』してたんですから、そりゃこの酷暑じゃ割れますよね」
また、最近、窓ガラスの修理代の高さにも驚いたという。
「理由は『熱割れ』ではないんですけど、自宅リビングの1メートル四方くらいの窓が割れて修理してもらったら約4万円ですよ! 高すぎじゃないですか」(掟氏)
前出の高木氏が“業界の事情”を説明する。
「ガラス業界もコスト削減の努力はしていますが原材料費や物流費など諸々で年々、ガラス価格が高騰しています。弊社も大体1メートル四方のガラスは修理費用含め4万円ほどです。『熱割れ』予防対策としては窓ガラスの外側に簾(すだれ)などをつけて直射日光を当てないようにすることをオススメします」
酷暑で容赦なく窓ガラスは割れ、修理費もバカにならない。夏の暑さは心身だけでなく庶民の財布にも打撃を与えそうだ。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班