〈終戦80年〉出撃前の特攻隊、原爆のきのこ雲、火炎放射器で焼かれる沖縄…AI技術と対話をもとにカラー化した写真が繋ぐ“過去と現在”
AIの最新技術と人の手によってカラー化した戦前〜戦後の写真を約350点収録した『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(光文社新書)。2020年7月に出版され、発行部数7万部を記録し好評を博している。当時の写真をカラー化することの意義、書籍化への想いを、担当編集者・高橋恒星さんに聞いた。
本書出版までの道のりを、実際に掲載されたカラー化写真と共にお届けする。〈サムネイル写真/1945年9月15日。終戦直後にマーシャル諸島で撮影された日本兵たち〉
『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』より
戦前の広島、中島地区にあった丸二屋商店
1932年ごろ。中島地区(現在の広島平和記念公園)にあった、丸二屋商店の写真。元安橋と本川橋を結ぶ中島本通りにはたくさんの商店が建ち並んでいた。丸二屋商店は本川橋東詰め付近に所在し、石鹸と化粧品の卸問屋だった。新商品が出るたびにチンドン屋(編集部注:原文ママ)が雇われ、店頭を賑わせていた。
カラー化写真をとても喜ばれた緒方さん。しかし、どこか違和感が残っていた。対話を重ねるうち、看板全てが緑色だったという「記憶の色」がよみがえった。この看板は、父の手作りだという。緒方昭三さん提供
戦前の広島、幼稚園のお遊戯会
無得幼稚園のお遊戯会。園児たちが輪になって国旗を振る。無得幼稚園は、誓願寺(現在の広島平和記念資料館・本館南側の広場に立地)内に位置していた。
今中圭介さん提供
戦艦「大和」
1941年10月20日。開戦の50日前。豊後水道・宿毛湾沖合付近を公試航行中の戦艦「大和」。
日系人強制収容
1942年4月25日。日系人強制収容のために、サンフランシスコの市民統制センターに行列する人々。