働きながら週3バイトで修行の日々

2025年4月19日にオープンした立ち食いそば「梅市(うめいち)」。カウンターのみの小さな店舗で、かけそばは390円。富士そば、ゆで太郎が430円の中で、これはうれしい価格だ。

神保町の立ち食いそば「梅市(うめいち)」(撮影/ライター神山、以下同)
神保町の立ち食いそば「梅市(うめいち)」(撮影/ライター神山、以下同)

それでいて、天ぷらは揚げ置きではなく、注文後に揚げ直しされてアツアツで提供される。「熱いものは熱く」という店主のモットーのもと、回転率を犠牲にしてでも味を優先する。

そのこだわりは、実際に食べればすぐにわかる。揚げ直された玉ねぎのかき揚げは、じゅわっとした甘味が立ち上がる。そして、おススメだというニラ天は、想像を遥かに超えた。

口に入れた瞬間、衣がカリッとほどける。その直後、ニラの風味が一気に広がり、鼻に抜ける。強くて、香ばしくて、炒めたニラとはまったく別物の存在感がある。
揚げ置きのニラ天によくある“グニッ”とした歯ざわりもなく、風味がぼやける感じもない。