嫌な言葉は受け取らない。それが自分を守る術

──南さんが日々、大切にしている言葉は?

それはもう断然、岡本太郎ですね。特に好きな言葉は「孤独がきみを強くする」。最強だと思います。

太郎の言葉はすごいんですよ。ただ前向きなだけではなく、暗闇の中の光という感じ。本を枕元に置いて、寝る前に開いたページを読むようにしています。

南果歩「孫が生まれて戦争のない地球になるのかなと憂う気持ちが強くなった」新たなパートナーにときめく未来は「予測不能です!」_5

──人の前に立つという職業柄、時に目にしたくない言葉に触れることもあるのでは?

そんな時は、動物園の動物を見るような観察者になるんです。「え、なんでわざわざこんな嫌なこと言うんだろう。おもしろいな」って感じで(笑)。

観察するということは交流を持たないということ。言葉を受け取らないし、傷つくこともありません。それはもう、自分を守る術。

今、目の前にいる人を最優先にして、自分がときめく気持ちを大切にする。それが大事だと思います。

──最近、ときめいたことはなんでしょうか?

友達から「『ありがとう』っていっぱい言ってくれてありがとう」と言われたのは、めちゃくちゃ嬉しい瞬間でしたね。そんなことを言ってくれる友達、すごいなって(笑)。言葉はマジックだなと思いました。

男女問わず、そういう言葉を言われるととても嬉しいし、ときめいている自分にもときめきます。

──素敵ですね。ちなみに新たなパートナーにときめく未来は?

それは予測不能です(笑)。あはは!

南果歩「孫が生まれて戦争のない地球になるのかなと憂う気持ちが強くなった」新たなパートナーにときめく未来は「予測不能です!」_6

──昨年はお孫さんが誕生されたそうですね?

祖母としての立ち位置がもう、まったくわかっていなくて。一緒に遊んで、即興の歌を歌ったりしています。

自分の息子が生まれたときのことは大変すぎて記憶がハイスピードですが、孫の場合はちょっと不思議な関係なので、「こんな人に出会えてよかったな」という穏やかな感覚です。

──インスタグラムにも「60歳年下の友に出会えた喜びを感じています」と投稿されていました。

本当にそんな感じ。「いっぱい一緒に遊ぼうね」って思ってます。ただ、次の次の世代を担う生まれたての人が身近にいると、世の中を憂う気持ちは強くなります。本当に戦争のない地球になっていけるのかな、って。

──私たちにできることは?

身近な隣の人と仲良くすること! それが戦争をなくす第一歩だと思います。

取材・文/松山梢 撮影/石田壮一 ヘアメイク/黒田啓蔵(Iris) スタイリスト/坂本久仁子

『長崎―閃光の影で―』

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舞台は1945年、長崎。看護学生の田中スミ、大野アツ子、岩永ミサヲの3人は、空襲による休校を機に帰郷し、家族や友人との平穏な時間を過ごしていた。しかし、8月9日午前11時2分、長崎市上空で原子爆弾がさく裂し、その日常は一瞬にして崩れ去る。街は廃墟と化し、彼女たちは未熟ながらも看護学生として負傷者の救護に奔走する。救える命よりも多くの命を葬らなければならないという 非情な現実の中で、彼女たちは命の尊さ、そして生きる意味を問い続ける。

(c)2025「長崎―閃光の影で―」製作委員会
7月25日(金)長崎先行公開/8月1日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

公式サイト:nagasaki-senkou-movie.jp 
公式X:@nagasaki_senkou