「ガンコ電車の巻」(ジャンプ・コミックス第26巻収録)
今回は、東京で昭和の光景が残る地域を走る「都電」をめぐるお話をお届けする。
都電への並々ならぬ愛着を持つ男・轟とともに、本作が描かれた1981年の東京を散策してみてほしい。
都電とは、東京都交通局が運行する路面電車のことで、正式な名称は東京都電車。馬が車両を引っ張って軌道(線路)を走る「鉄道馬車」がそのルーツだ。
全盛期には41路線を誇り、都民の足として活躍した都電だったが、東京都交通事業財政再建計画に基づいて1967年から5年ほどの間に次々と廃止された。本作で描かれているのは、現在まで運行を続ける唯一の路線である「荒川線」だ。
なお、作中に登場する「あらかわ遊園」を訪れると、都電の車両を使ったカフェでひと息つくことができる。古い都電の車両を見てみたいという方は、荒川車庫前停留所のすぐ前にある広場「都電おもいで広場」を訪ねてみてはどうだろう。静態保存された1954年製造の5500形と1962年製造の旧7500形が展示されている、
ちなみに、『こち亀』コミックス第154巻には、都電が登場するエピソードが3話も収録されている。両さんが子どもの頃の、都電廃止をめぐる冒険行を描いた「東京中に都電のいた頃の巻(前編)」「東京中に都電のいた頃の巻(後編)」。
そして、中川鉄道の路面電車と都電とが相互乗り入れを図ったのをきっかけに、両さんが路面電車の路線を拡張しまくる「線路は続くよ!どこまでも!?の巻」がまとめて読めるぞ。
それでは次のページから、都電に揺られながらの昭和の東京・下町旅をお楽しみください!!