女性だからこそできる笑いも確実にある
──「女芸人」という呼称や、そうやって括られることについてはどう感じていますか。
うーん……私は男女コンビで活動しているので、女性のピン芸人さんや女性同士のコンビと比べると、女芸人という括りで呼ばれたり、扱われることが少ないのかもしれません。そのうえで、女性芸人だからこそできる笑いも確実にあると思っているので、ジャンルというか、「女芸人」という括りはあってもいいんじゃないかなと思っています。
それは男女コンビであるにゃんこスターとしても、女性である私がボケで、相方のスーパー3助さんが男性であることは、ネタにもだいぶ影響はしているので。
──学生時代、お笑いサークルで芸人の活動を始めたときから、役回りはボケ担当だったのですか?
私はずっとボケですね。こう見えて、自分的にはわりとはっきりしたビジョンというか、自分がどういうキャラクターなのかっていうのはあるんです。
というのも、『キングオブコント2017』で準優勝したときに、なわとびのネタで急に世間に知ってもらうことになったので、それ以降どんなに新ネタを作っても、ネタ番組に呼ばれるときには必ず「なわとび持ってきてください」って言われ続けたんですよ。
ライブではできても、なかなかテレビでは新ネタができない時期が続いたので、そのぶん自分を見つめ直す時間が長かったというか。
──それは、どういうキャラクターなんでしょう。
なわとびのネタでもそうでしたけど、いきなり「リズムなわとび」という知らない世界を持ってきて人を振り回しても、なんか見れちゃうキャラクターなのかなと自分では思っています。
にゃんこスターでは、そういう私に対して、相方の3助さんが大きいツッコミを入れる。逆に細かいツッコミが上手い人だと、立ち止まるところが多すぎる世界なので、そこのバランスで成り立っている気がします。
───ご自身の出自である「大学お笑い」のシーンも盛り上がっています。
なんかすごいですよね。私は早稲田大学の「お笑い工房LUDO」というサークルの出身で、私がいた頃は全員で100人くらいのゆるい感じだったんですが、聞くところによると、今は入部希望者だけで500人くらいになっているみたいで。
私がいた頃の雰囲気で言うと、本気でプロを目指している人もいましたけど、そうではない人もたくさんいて、ライブになるとそういういろんな人たちとコンビやユニットを組んで、お笑いを試せるところがよかったです。全員がプロを目指すライバルという感じではないので、サークル活動として楽しみながら、それぞれのいいところを探し合うような。それが大学お笑いサークルの魅力だと思います。
今はもっと違う感じになっているかもしれませんが……。
───30代を迎え、芸歴も重ねてきたことでの変化はありますか。
前は番組のアンケートとか、ちょっと盛って提出したりもしていたんですけど、そういう小細工はやらなくなりましたね。実際は違うのに、企画に寄せて「〇〇好きです」とか言ったところで、結局はうまくいかないんですよ。
底の浅さは絶対にすぐバレるので。だったら無理せず、ちゃんと自分に合った企画だけをやろうと思うようになりました。
取材・文/おぐらりゅうじ 撮影/石垣星児
スタイリング/小西沙良 ヘアメイク/鈴木かれん
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