お母さんが「息子が怖い」と怯えた様子で近所の家に逃げ込んだ  

母親を怯えさせ、近隣住民を巻き込んだ“包丁事件”。山下家の20年来の知人も、当時のことを記憶していた。

「投資詐欺? 包丁? ああ、なんかそんな話あったね。それが原因かどうかはわからないけど、お母さんが『息子が怖い』って怯えた様子で近所の人の家に逃げ込んでくるってことは確かにあった。山下さんの家はお姉ちゃんが2人いて息子さん(山下容疑者)が末っ子でね。

でも当時、ここに暮らしていたのはお母さんと内縁の夫、あとは今回事件を起こした息子さんだけだったと思う。お母さんは工場勤め、内縁の夫は会社員、お姉ちゃんたちはもう独立して家を出て行っていたと思うよ。

息子さんはまあ、今時の若者というかね。真面目って感じではなく、やんちゃな子って感じだった。昔はもっとシュッとしていて、今のテレビで出る写真には面影なんてまったくないよ。

詳細までは聞いてないけど、お母さんから『息子が警察沙汰になった』とか聞いていたから、そういう意味では大変だったのだろうと思う。

そんな中、内縁の夫だった人も自分の母親から『子ども(山下容疑者)とも血が繋がっているわけではないし、いつまでも一緒にいない方がいい』と言われてたみたいでね。仕事柄、よく東京に出張に行っていたんだけど、そのまま出ていくことになってしまったんだ」

現行犯で逮捕された際の山下容疑者(付近の防犯カメラより)
現行犯で逮捕された際の山下容疑者(付近の防犯カメラより)

山下容疑者の母が近所に逃げ込む事件があったのは、そんなタイミングの出来事だったという。

「心配した近所の人が息子さんと話をしてあげるって言って家まで行ったんだけど、息子さんはもう家にいなかった。でも、お母さんがあまりに怯えた様子なので、その人は『お姉ちゃんの家に行けるなら行ったほうがいい』とアドバイスしたみたい。それで、お母さんはそのまま家を出てお姉ちゃんのところに行ったの。

しばらくは息子さん一人でその家に住んでいたんだけど、間取り的にも家族で住むような一軒家だし、経済的なことがあったのか……。しばらくして、今報道で出ている袋井市のアパートに引っ越していった。10年前くらいだったかな。亡くなった被害者たちもかわいそうだけど、容疑者のお母さんなどの家族のことを思うと、それも本当苦しくなるよね」

竹内さんと伊藤さんにそれぞれ10カ所以上もの刺し傷を与え、死に至らしめた山下容疑者。警察の調べに対して、「殺意があった」ことを認め、犯行に至った経緯については、「小馬鹿にされた」などと供述しているという。

殺害された竹内さん
殺害された竹内さん
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班