「迷惑駐車の住民に直接交渉してくれました」
別の近隣女性もこう証言する。
「刺青の男性のことなら覚えています。170センチくらいで中肉中背のスキンヘッドで、眉毛は薄かったです。首から背中、胸、腕まで和彫りの刺青がびっしり入っているのに上半身裸か白いタンクトップだけで歩き回るので、目立っていましたよ。
ただ、住民が通ると駐車場の奥に行ったり自分の部屋に入ったりしてたので、人目を避けている感じはありましたが、夕方5時になるといつもきまって、外にその格好でタバコを吸いに出てくるんです。アクセサリーやメガネはつけていませんでした。タバコは車の中だったり、玄関前に小さい椅子を構えて吸っていました」
しかし、意外な“優しさ”を垣間見せることがあったという。
「新しくアパートに入居した人が迷惑駐車をして、私が車が停められないことが数カ月ありました。縦列駐車でフタをして車を出せないこともあり、仕事に支障が出るので警察に通報したこともあったほどです。
そんな時に、その刺青男性が助けてくれたんです。目があったので挨拶から始まり、困っていることをふと話たら『俺が言ってやるよ』とその迷惑駐車の住民に直接交渉してくれました。怒鳴りもせず、優しい口調で話してくれて、それ以降は迷惑駐車がなくなりました」
親切な“刺青男”は話好きでもあった。
「その後は挨拶して少し話す仲になり、この部屋の人はゴミにうるさいとか、この部屋はどんな人が住んでいるかといった住民のことを教えてくれて、古株だということがわかりました。
このアパートは4棟建てで築十数年になりますが、もともとはどこかの企業が独身寮として使っていたそうです。その後に買い取った会社が主に単身者用に貸し出し始めたそうです。家賃は2万6000円で、刺青の人も同じくらいだと話していました」
見た目に似合わぬ優しい刺青男を、見た目通りのイカつい凶行に駆り立てたものはなんだったのか。県警の調べに注目が集まる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班