芸歴40周年「一言では表せない」

先月、自身初となるビジネスエッセイ『気くばりのススメ』(すばる舎)を上梓しました。人付き合いに悩む現代人に向けて、40年間の芸能生活で培った“人に寄り添う力”をやさしく、ユーモアを交えて綴っている。

“ヒデちゃん”の愛称で長年親しまれながら、実直に芸と向き合ってきた中山秀征が語る、これまでの歩みと、これからの挑戦とは。

芸能生活40周年を迎えた率直な感想を聞くと、どこか考え深げに口をひらいた。

「あっという間といえばあっという間、だけど地道だと感じる時もあったし、一言では表せないですね。昭和の後半にデビューして、平成でいろんなことが変化し、令和になって…。テレビの内容や表現方法も随分変わったと思います。そんななかでタレントをやって来れたのはすごく面白かったし、ありがたく感じますね」(中山秀征、以下同)

時代とともに価値観もめまぐるしく変わっていく。昭和・平成・令和という三つの時代を生き抜いてきたからこそ感じる、今昔のテレビについてこう話す。

「昔のテレビが良かったって言う人もいるけど全部良かったわけではない。いいものもあったけどダメなものはダメだし、つまらないものはつまらなかった。ただ、昭和という時代は前例がないことをやってきた時代なので、歴史を切り拓くことはできたかなと思います」

時代の変化に順応してこれたのは芸能生活だけでなく、家族との関係性が大きく影響しているとか。

「30歳で結婚し、妻と生活を始めたことによって変化していきました。それまでは自分の感覚だけで生きていたけど、誰かと生活することの難しさを知って変わった部分ってあるんですよね」

インタビュー中も笑いが絶えない中山秀征 撮影/齋藤周造
インタビュー中も笑いが絶えない中山秀征 撮影/齋藤周造
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