全国有数のコメどころ・新潟市独自の農業体験学習とは?

全国の公立小学校のおよそ80%で農業体験学習が実施されているというデータ(全国農村青少年教育振興会 2010)にもあるように、日本の教育現場では積極的に農業を体験する機会を設けており、中でもコメ作りに取り組む学校は少なくない。

写真はイメージです(PhotoACより)
写真はイメージです(PhotoACより)

そうした中、全国有数のコメどころである新潟県新潟市では、市内の小学校でスマート農業(ロボットやAI、IoTなどの先端技術を活用する農業)学習を進めており、実施する学校数は年々増えているという。

取り組みの内容について、市の担当者に話を聞いた。

「新潟市は、SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行なう自治体として2022年度に『SDGs未来都市』に選定され、その中核事業である『食と農のわくわくSDGs学習』に取り組んでいます」

この事業は、小学校高学年から大学生までを対象に、「総合的な学習の時間」などの授業の中で「食」や「農」をテーマにした探究的な学習を行なうというもの。

スマート農機の見学や稲の品種改良について学ぶなど、さまざまな学習に取り組んでいるという。同担当者は、事業の目的について次のように話した。

ドローンやタブレット端末を利用した「スマート農業」学習に取り組む新潟市内の小学校(提供:JA新潟かがやき)
ドローンやタブレット端末を利用した「スマート農業」学習に取り組む新潟市内の小学校(提供:JA新潟かがやき)

「農業に対して『つらい』『大変』といったネガティブなイメージを持たれる方も多いと思いますが、スマート農機などを使った農作業の省力化や、『持続可能な食や農に向けてどうしたらいいのか』ということをテーマにすえた取り組みを通して、子どもたちの深い学びや能力の育成につなげられればと、教育委員会と連携して取り組んでいます」