SNSでは「子どもがかわいそう」という声も

――SNSやメディア出演を通じて、批判的な意見を受けたことはありますか?

ゆにさん 
「子どもがかわいそう」という声をいただくことが一番多いですね。でも、どの家庭でも、親元で暮らしているうちは、少なからず親の価値観の中で育つものだと思うんです。だから、おっしゃる意見も理解できますし、あまり気にしないようにしています。

――それでもSNSやメディアを通じて発信を続ける理由は?

ゆにさん
 この暮らし方を実践する人が増えれば、自分らしく、幸せに生きられる人ももっと増えると思うんです。そのきっかけとして、少しでも多くの人に知ってもらいたいという気持ちがあります。

私自身、この暮らしをとても楽しんでいますし、心から「幸せに生きている」と実感できています。

――メディアに出ることで、遠方から見に来る人がいたり、それによって迷惑を感じたりすることはありますか?

ゆにさん
 2〜3年前、テレビに出始めた頃は、特に理由もなくアポなしで家に来る方がけっこういて、家が観光地のようになってしまっていました。町役場や近所の方に家の場所を聞いて来た方もいましたね。

嫌がらせのようなことをされたわけではありませんが、一人ひとりに対応しているうちに時間が取られてしまい、こちらの作業が進まなくなることもあって、少し迷惑に感じていました。

夫も、アポなしで来られることをあまりよく思っておらず、「ここは観光地ではないので、遊び目的では来ないでくださいね」といったことを直接お伝えしていましたね。

田村さん一家(写真/本人提供)
田村さん一家(写真/本人提供)

――これから先、たいちくんにはどのように育ってほしいと考えていますか?

余一さん
 とにかく、自分で「ここまで」と限界を決めてしまわない人になってほしいですね。僕たちのような暮らしを見て育てば、「できない」という感覚そのものがあまり芽生えないんじゃないかと思っています。

ゆにさん 私としては、自分のことをまず好きになってほしいです。そのためにも、なるべく本人の意思を尊重することを大切にしています。自分が夢中になれることを見つけて、幸せな人生を歩んでくれたら嬉しいですね。

――今後の夢や目標を教えてください。

余一さん
 今、自給自足生活を広める活動をしていて、弟子が3人いるんです。いつか学校を作って、家の建て方やこの暮らしをより多くの人に伝えていきたいですね。

ゆにさん より多くの人にこの生活を知ってもらえるように、今後も発信したり、知識をシェアしたりし続けたいですね。それに、自分自身もこの暮らしをさらに探求していきたい。たいちには、このまま順調に成長してほしいです。