「まむしドリンク」よりも男性ホルモン
元気ホルモンという意味では、年をとっても男性ホルモンの数値をある程度維持している人は要介護状態に陥りにくいのです。
この機会に、ぜひ、ご自身の男性ホルモンの数値を計ってみてください。
ただ、先ほども申しましたように、日本がそういう健康寿命を延ばす施策を考えているかといえば全く逆で、むしろ高齢者を痛めつけ、ますます弱くさせるようなことばかりしています。
意識的に男性ホルモンの分泌を上げて元気を出さないといけない高齢者に対して、元気を奪うことばかりやっているのです。
私のクリニックでも、調べてみると男性ホルモンが足りない人がいっぱいいました。
その人たちにはおおむね注射で補充するのですが、みんな目に見えて元気になるし、頭もシャキッとしてきます。
ある患者さんなんか75歳くらいになるのに、「先生、久しぶりに朝勃ちしたんですよ。ついでに性欲も高まってきたので10年ぶりに風俗に行きました」というメールをくれました。
その人は、じつは奥さんがだいぶ前に認知症になられたために、セックスライフから遠ざかり、ずっとまじめに介護してきた人なのです。だから風俗くらい許してもいいんじゃないかと、私は個人的には思っています。
いずれにしても、男性ホルモンを補充すると、そのくらい元気になるということです。
だから、若返りのためには「まむしドリンク」なんか飲むよりも男性ホルモンのほうが、ずっといいと思います。
ところで、ホルモンの補充は「いつ頃からはじめたらよいか」という質問を受けることがありますが、時期については特に決まりがないので、性欲が弱ったなと感じたらはじめるとよいと思います。
そして、いつまでも“現役”でいたいと思うかぎり続けるとよいのではないでしょうか。
現役というのはなにもセックスの現役というだけではありません。仕事もその他もろもろのことも現役という意味ですから、そう思っている間は続けたらいいと思います。
うちのクリニックではアンチエイジングや内科などがメインですが、いちばんリピーターが多いのが、このホルモン補充療法です。
文/和田 秀樹