平成の番組は令和世代にも刺さる?

事実、2023年にフジテレビでは40年ぶりに『オールナイトフジ』が『オールナイトフジコ』として復活、2024年にテレビ朝日では16年ぶり『内村プロデュース』が一夜限りの復活、2025年はTBSで8年ぶりに『ザ・イロモネア』が復活した。

現在放送中のフジテレビ月9ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も、11年ぶりの続編だ。

「過去の人気番組の復活は、一定の“信頼性”と“固定ファン層”が見込めるため、新規番組に比べてリスクが低い。とはいえ、守りの姿勢だけというわけではなく、今の若者、Z世代に刺さる“再構築”を意識しているように見えます。平成の人気番組に令和のタレントを組み込むことで、SNSなどでの拡散を意識しているのです」

近年では、TikTokやX、InstagramなどSNS上で、テレビ番組の“切り取り動画”がバズることも多い。特に昭和・平成のバラエティ番組の名場面などは、Z世代からは「逆に新しい」として注目を集めている。

テレビ番組はZ世代にも刺さっている?
テレビ番組はZ世代にも刺さっている?
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「“若者のテレビ離れ”という言葉がよく言われていますが、実は“テレビ番組をテレビで見る”、“フル尺で見る”という機会が減っただけで、コンテンツそのものへの関心はむしろ広がっているという見方も局内にはあります。ただし、視聴率は下がり続けているのも事実。

関心はあるのに視聴につながらない。このギャップを、過去の人気番組を復活させることで埋めようとしているのではないでしょうか。たとえば、親世代が懐かしんでテレビを観ていたら、隣で子どもが気になって一緒に観る──そういう“お茶の間”のシーンを、もう一度つくりたいのだと思います」

 “平成レジェンド番組”の復活は、そうした時代の視聴スタイルに合わせた戦略とも言えるだろう。懐かしさを求める大人世代と、新しさとして受け取るZ世代。その両方をうまく取り込むことができるだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部