「なぜそこまでやるのかと言われれば、子どもたちの夢を実現させるためです」
――吹奏楽に親しむ子どもたちのモチベーションの一つに大会があるかと思いますが、どういった改革を進めていらっしゃいますか。
地域展開の会議の中で、大会のあり方を再考するという課題も出されました。
これまでは「職場・一般」部門以外は学校単位の加盟・出場しか認められておらず、例えば中学生だけで構成された地域バンドでも「職場・一般」部門に出なければなりませんでした。
でもそれはおかしいから、修正してほしいという要望がありました。すぐに改定に着手し、学校同士の合同バンドや地域バンドが、中学校の部門などにも出場できるようになりました。
実際に去年、合同バンドが全国大会に出てきたり、地方の地域バンドが支部大会に出てきたりしています。
さらに今、高校の部員減少を踏まえ、高校部門の改定に向けて動いています。たとえば2つの高校が合同バンドを組んで出場したりできるように、門戸を開く準備を進めています。
――大会の審査基準も改定したとうかがいました。
金賞の数を増やすなど、音楽を奏でた人たちも納得できるような方法を模索した中での改定を行ないました。でもこれが未来永劫続くわけではありません。
実際に、去年実施して若干問題も出てきています。様子を見つつ、得られた事実からもう一回検証し直して、さらに改革していこうと考えています。
吹奏楽連盟としては、時代の流れに乗りつつも、さまざまなアイデアを出し、工夫を重ねながら、吹奏楽活動を守っていきたいと強く感じています。なぜそこまでやるのかと言われれば、子どもたちの夢を実現させるためです。
ベースになるのは子どもたちです。それを私はいつも自分の肝に銘じています。我々はやっぱり夢先案内人にならないといけないと思っていますから。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班