「免疫力アップ」のうたい文句には要注意
とはいえ、研究が進むのを待っているわけにもいきません。セルフケアをしても解消できないつらい肩こりがあるなら視点を変えて、少しでもつらい症状を軽減しましょう。
アレルギー疾患の有無を確かめ、アレルギー疾患があったなら、それにしっかり対処することが、肩こり解消にも早道かもしれない。アレルギー疾患と肩こりを分けて考えないで、一旦、アレルギー疾患の治療に集中してみるのです。
最近、少し注意深く表現されるようになってきましたが、まだ「免疫力アップ」や「免疫増強」「免疫力を高める」などとうたう商品や健康情報がなくなってはいません。
しかし、免疫力は強く、高ければいいというものではありません。
アレルギー疾患には、自己免疫反応が強すぎて起こるメカニズムがあり、アレルギー疾患を原因とする場合の肩こりは、免疫系が「高すぎる(崩れている)」せいで起きているとも言えるからです。
免疫力を高めようという風潮はやや安易で、あえて言うなら「免疫力を整える・崩さない」が◎。
それも何か飲んだり、食べたりして、さっと整ったりするものではなく、地道な健康づくりや病気の治療の積み重ねで養われるものです。
参照
(*1)Barrick BJ, Jalan S, Tollefson MM, Milbrandt TA, Larson AN, Rank MA, et al. Associations of self-reported allergic diseases and musculoskeletal problems in children: A US population-based study. Ann Allergy Asthma Immunol. 2017 Aug;119(2):170–6.
(*2)Killian, S. & The Institute for Therapeutic Discovery. Seasonal allergy induced back pain: A report of two cases. Allergy Disord. Ther. 2, 1–4 (2015).
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