ホストに貢ぐために風俗嬢に…さらに闇金からの借金も
ホストに貢ぐ生活を続けていた沖さんは、ある日彼から1枚の紙切れを渡される。
「風俗の店名と電話番号が書いてあって『ここに電話して』って。ホストに貢ぐとなったら、普通のお仕事じゃ全然お金が足りないんですよ。だから私も『じゃあ風俗でいいか』って面接に行って。当日、店長と30分くらい研修したらすぐにお客さんがついて、1万円もらいました」
風俗で働けば、一般の仕事よりも短時間で大金が稼げる。それを実際に経験した沖さんは、それ以降は風俗1本で働くようになった。
「簡単に稼げるんだよって体験させて、次の日からも来るようにってお店の策略ですよね、見事に染まってしまいました(笑)」
いくら好きなホストからのお願いだとは言え、風俗で働くことに抵抗感はなかったのだろうか。
「それまで男性経験も少なく風俗の仕事に詳しくもなかったので『ちょっとやってみようか』と、好奇心でしたね。それで実際にやってみたら『普通に働くより楽だな』と思っちゃったんです」
風俗で働き始めた沖さんは、連日のようにホストクラブに通い、担当ホストに貢ぐ生活を送るようになる。更には風俗の稼ぎでも足りず闇金にまで手を出すことに。
「闇金で200万円借りました。自己破産中だったので闇金でしか借りられなかったんですよね」
闇金での、しかも200万円という高額な借金。2000年台初頭にまかり通っていた違法な金利で返済するとなると、一般的な職業の給料ではまず返済ができず、風俗の世界で働き続けるしかなくなっていた可能性が高い。
漫画『闇金ウシジマくん』で描かれる典型的な転落生活のような人生。だがこの借金を沖さんに変わって返済してくれる男性が現れた。
「風俗のお客さんで公認会計士さんでした。そのお客さんが闇金の200万円を返済してくれて、住む場所も用意してくれて。風俗から『水上げ』してもらったんです」
その後、男性の愛人としての生活がスタートする。そしてこの愛人生活が沖さんが税理士となるきっかけとなった。
「その男性から『税理士やってみたら?』と言われて。でも専門学校しか卒業していないので、簿記の資格を取らないと税理士の試験が受けられなかったんです」