求められる物価高支援策

この値上げラッシュについて、近畿大学経済学部の上口晃准教授に話を聞いた。

「食料品の価格の高騰は、消費者の消費支出に占める食糧費の割合を増やすことに繋がります。日本では、総務省による家計調査の結果に基づいたエンゲル係数の値が30%に迫っており、1980年代前半以来の高水準となっています」

値上げの波が押し寄せる一方、実質賃金は一向に上がらず、消費者からは不安の声があがっているが、消費者への影響はいかほどなのか。

「消費者が物価高を理由に、買い物を控える行動が顕在化することは、景気の悪化に繋がる可能性があります。

昨年は物価高に対する政策として定額減税がおこなわれましたが、引き続き消費者物価指数が上昇している一方で、実質賃金が低下しています。そんな状況で、どのように物価高への支援のための政策がおこなわれるかという点が注目されます」

値上げの春が始まり、それを乗り越えた先には値上げの夏がやってくる。果たして石破政権はどのような物価高支援策を打ちだしてくるのだろうか。

石破茂首相(写真/官邸公式Xより)
石破茂首相(写真/官邸公式Xより)

取材・文/集英社オンライン編集部