会社を辞めてから3年半、女性が掴んだもの

心理士になるには、大学院で修士課程を修了したうえで、資格試験にも合格しなければいけない。そこで6月末から心理系大学院専門予備校に通い始めて勉強に打ち込み、9月・10月の入学試験に合格した。

心理系の大学院入試に挑戦した記録
心理系の大学院入試に挑戦した記録
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それから2年間の大学院生活を経て、精神科クリニックと教育機関に勤めることになり、2度目の社会人生活が始まった。

その中で資格試験の勉強を始め、その年の12月、見事に試験を合格して臨床心理士となった。新卒で入った会社を辞めてから、3年半後のことだった。

「振り返ると、大学時代に国際学部で育んだ多様性を認める感覚が背中を押してくれたのかもしれません。ここだけが世界じゃない、世界はもっと広い。そんな思いが自然と湧いてきたからこそ、あのとき一歩を踏み出せたのだと思います」

新卒で入った会社ですべてが決まるわけではない。それは一つの例でしかなく、別の場所で輝けるチャンスは無限に広がっている。自分にはなにが向いているのか、学生時代にはわからなかったことが、社会に出てからわかることもたくさんあるのだろう。

取材・文/ライター神山