二日酔いに特効薬はない

二日酔いは、「飲み過ぎるな」という戒めのようなものです。残念ながら二日酔いにすぐに効く薬や即効性のある治し方はありません。以下のような対処で、症状が治まるのを待ちましょう。

・十分な水分を摂る。
・音や光などの刺激の少ない場所で、締め付けの少ない服装で安静にして過ごす。
・市販の胃薬、鎮痛剤、制吐剤などの薬で症状を軽減する。
・基本的に医療機関を受診する必要はありませんが、症状がひどい場合、いつまでも治まらない場合は内科や胃腸科に相談しましょう。

二日酔いの症状は、緊張や興奮で抑制されることもあります。二日酔いにならないことが大前提ですが、仕事などでどうしても急いで対処したい場合に備えて、「顔をたたいて気合を入れる」など、自分なりのルーティンを用意しておくのも一案です。

二日酔いの常識、ホント?ウソ?

飲む前、飲みながら、飲んだあとに‥‥二日酔いを避けるためにできる対策は10もあった!_6
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迎え酒で二日酔いが治る=ウソ

二日酔いの不快感をお酒の力で麻痺させているだけであり、迎え酒で二日酔いはかえって悪化します。

ちゃんぽんは二日酔いのもと=ウソ

悪酔いや二日酔いはアルコールの量と吸収のスピードによるため、お酒の種類の多さは関係ありません。ただし、ちゃんぽんをするとどれだけ飲んだのか分からなくなりやすいため、飲み過ぎにつながることも。その結果二日酔いになることはあります。

貝のみそ汁は二日酔いに有効=ホント

シジミに含まれる「オルニチン」はアセトアルデヒドの分解に有効です。また、アサリやハマグリ、カキに含まれる「タウリン」も肝臓の解毒作用を助けます。アルコールの利尿作用で塩分が排出されることと、飲酒によってダメージを受けた胃腸を助けることからも、水分と塩分が摂れて温かいみそ汁は有効といえるでしょう。

ウコンは二日酔いに効く=ホント

ウコンに含まれる「クルクミン」には肝機能を高めたりアセトアルデヒドが体に残りにくくしたりする効果が期待されます。ただし、摂取によって肝機能障害が起こることもあるため、脂肪肝などのトラブルがある人は避けたほうがよいでしょう。

飲んだ翌日の朝は熱いシャワーでさっぱりするとよい=ウソ

眠気覚ましにはなりますが、熱過ぎると体の負担になってしまうので温度は控えめにしましょう。

お酒に対する強さは鍛えられる=ウソ

人には、アルコールを分解する酵素「ADH1B」とアセトアルデヒドを分解する酵素「ALDH2」のどちらももっていない人、片方しかもっていない人、両方共もっている人がいます。全くもっていない人はどんなに飲んでもお酒に強くなることはありません。

片方だけもっている人は飲み続けているうちに強くなる可能性があり、両方もっている人は基本的にお酒に強い体質です。とはいえ、お酒に強い体質の人も、肝臓の状態によっては注意が必要です。健康診断でγ-GTPの数値が基準値を超えていたら、まず2週間お酒を飲まずに過ごしてみましょう。その結果数値が元に戻らないようなら、お酒をやめることをおすすめします。

監修/秋津壽男(日本ソムリエ協会名誉ソムリエ)

本記事は、人には言いづらい悩みの原因、症状、改善や予防法など健康情報が豊富な大正健康ナビの記事を再編集し、お届けしています。
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