奥谷謙一県議は偽計業務妨害で兵庫県警に被害届を提出

こうした岸口氏の態度に地元政界関係者は「竹内さんの命を奪う誹謗中傷の起点になった怪文書について、このままスルーできる話ではありません」と指摘。さらにこう続けた。

「岸口氏が当初、怪文書は同行者のX氏が立花氏に渡したように説明しておきながら、突然自分に責任があると言い出したことにメディアや関係者は注目しています。最初は責任逃れをしようとしたか、または事実を言ったものの、X氏に迷惑がかかると悟って自分が責任をかぶらなければ、と思い始めたのではないでしょうか」(政界関係者)

これに絡み、岸口氏を古くから知る別の県政界筋が話す。

「岸口さんは元々、自民党から新生党などを経て民主党へ移った兵庫の大物衆議院議員、故・石井一さんの秘書でした。

石井さんの秘書として生き残るには政治資金集めが上手でなければならず、岸口さんも秘書時代にそうした人脈を開拓したとみられています。実際、石井さんの後押しで県議になった後も、地元アパレル系企業の経営者など“太い筋”を持っていることで有名でした。

X氏はアパレル経営者とは違うようですが、岸口氏の政治活動を支えていた兵庫県でもチカラのある有力者の一人ではないかとの声が出ています」(政界筋)

兵庫県庁 撮影/集英社オンライン」
兵庫県庁 撮影/集英社オンライン」

立花氏に怪文書や隠し録音の音声データを提供した際、岸口氏は百条委の副委員長、増山氏は委員をそれぞれ務めていた。

二人は行為の発覚後、百条委委員を辞任。その後、百条委は、斎藤知事のパワハラをほぼ認め、疑惑を告発して昨年7月に自死した元西播磨県民局長・Aさん(60)に対して斎藤知事らが懲戒処分をかけたことも「公益通報者保護法に違反している可能性が高い」と結論づけた報告書をまとめた。

これを受けて、3月5日には県議会本会議が、岸口、増山、白井の3氏を除く賛成多数で報告を了承している。

「これをもって岸口氏は『新たなフェーズに入った』と主張し、立花氏との接触問題は終わったことだと印象付けようとしています。しかし現実は違います。

怪文書や秘密録音の音声データが立花氏に提供され、立花氏が内容を拡散させたことで、県や県議会には『百条委員会なんかやめてしまえ』という抗議の電話が殺到するなどして業務に支障がでました。これを受け、百条委の委員長を務めた奥谷謙一県議は偽計業務妨害で兵庫県警に被害届を出しています」(地元記者)

奥谷氏は2月、「業務を妨害され、今回知事選で怪文書の配布とか、録音データが渡されたとか、一体何があったのか解明し、県民の皆様に知っていただく必要が私はあると思ってます。

特に、怪文書をきっかけに竹内県議らはひどい誹謗中傷を受けたところがあります。竹内県議の名誉回復のためにも、背後関係はしっかり解明していかないとと強く思ってます」と決意を述べ、解明のために兵庫県警と綿密に調整を行なっていることを明らかにしている。

怪文書と秘密録音の音声データ提供は、誰が、どのような思惑で動いて実行に移されたのか。新会派結成とは関係なく、捜査は進んでいる。

兵庫県警(撮影/集英社オンライン)
兵庫県警(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班