大切なのは「コミュニケーション」と「当事者意識」 

一方、人事権がすべて自分にあると勘違いしているような“モンスター会長”がいるなど、PTAの運営上の問題については、「コミュニケーション」と「当事者意識」が大事だと話す。

「PTAの運営がうまくいかない要因として、コミュニケーション不足は大きいでしょう。

本来PTAは親同士の学びの場や、地域の交流の場という側面もあるので、ある程度の時間は割いて、メンバーとのコミュニケーションをとる必要はあると思います。

写真はイメージです(PhotoACより)
写真はイメージです(PhotoACより)

本当に民主的にPTAを運営するのであれば、総会での決議を活性化するというのも一つでしょうし、Googleフォームなどのアンケート機能を使うのもいいと思います。

大事なことは、課題を抽出して話し合うことです。仮に結論が出なくても、『保護者同士が向き合って話し合う』というプロセスは大事です。

そこをおろそかにしてしまうと、何のためにやっているかも分からないし、やった成果を共有する場もないでしょうから、“やらされ感”が出てしまう。

運営がうまくいかない場合は、やっている人に当事者意識が欠けている場合が多く、『とにかく言われたことをやらないと、不利益を被る』くらいに思っている場合もあります。参加者が当事者意識を持つことが大切です。

PTAが本来の『学校と保護者と地域が連携する形で、子どもたちのために活動していこうという趣旨』に沿った組織/運営になるように、関わった皆さんが『前向きにやってみよう』という気持ちが持てるような環境づくりが必要だと思います。

そして、保護者自身がPTA活動を通じて『自分自身が成長できた』と実感できればいいなと思います」

写真はイメージです(PhotoACより)
写真はイメージです(PhotoACより)
すべての画像を見る

現状のPTAの課題について指摘しながらも、「PTAは保護者自身の学びと成長の場になる」「PTAはまだ成長過程にある」と話した長谷川さん。

筆者も都内小学校でPTA役員を経験したことがあり活動に多くの時間はとられたもの“保護者同士の交流”を深めることができた。何より“教員との距離”も近くなり我が子の成長を身近で見守ることができた。

忙しい現代の保護者たちにとってPTAがより有意義な場になることが、子どもたちの幸せにもつながるのではないだろうか。

※「集英社オンライン」では今回の記事に関連して学校、PTAトラブルに関連した情報、体験談を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

旧X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班