外務省の対応に「もう明日はわが身です」

2月14日、衆議院予算委員会で立憲民主党の井坂信彦議員は、「元夫(D)の同意書がなければ絶対にパスポートを発行できないのか」とたずねた。

これに外務省の岩本桂一領事局長は「差し迫った状況があれば、当然それは総合的に判断して日本側の対応を判断するが、ただ今回2024年8月の時点では、旅券発給の手続自体について当該女性(A子さん)からは相談はあったがそれ以上具体的な状況について相談があったわけではないので、私どもとしては、手続のあり方について丁寧に説明をした」と答えている。

2月8日にブダペストで行なわれた追悼集会(パテント協会の動画より) 
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Bさんはこの答弁を聞いて、A子さんが置かれていた状況を証言しようと決意したという。

「A子さんはいつ帰れるか分からない中で常に逃げる態勢だったし、すごいストレスの中で生きてたんですね。すごく切迫してたんですよ。周りも『逃げなさい』って言うくらい。それに大使館は気づかないなんて。電話であんなに言ってるのに…。

大使館は未だにホームページにも謝罪も載せません。そうした姿を見て、外国人と結婚して外国で暮らす日本人女性は恐ろしく感じています。もう明日はわが身です」

A子さんが2人の子のパスポートを受け取れなかったのはなぜなのか。邦人の保護に失敗した可能性が浮かんできた今回の事件で、大使館と外務省はどう動いていたのか。政府には、対応の徹底的な検証と公表が求められている。                                                             

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班