「最終的には各学校長の方針によります」
前出の「腕まくり・ベストNG」の公立中学校がある市役所の学校教育課担当者に話を聞いたところ、「制服に関して細かい規則はない」という。
「校長会主宰のもと、数年かけて保護者や生徒の意見を聞きながら検討し、市内の全中学校で動きやすさや機能性・多様性を重視したブレザー型制服を導入しました。
校則という意味では、制服に関しては基本的に細かいものはありません。各学校それぞれの方針でルールを設けているかと思います。地域によって自然環境も異なるので、最終的には各学校長の方針によります」
同担当者によれば、むしろ校則は以前よりもゆるくなっているというのだ。
「保護者からいろいろな要望があったり、子どもたちのニーズもあるので、以前だったら『校則違反だ!』と厳しくしていましたが、ここ10年くらいほとんどそういうことはありません。
また経済的な負担もあるので、たとえば以前なら制服の上に着る上着などもある程度そろえていましたが、今は個人任せになっています」
校則に関して、PTAはどのように関わっているのか。あるPTA団体の幹部に話を聞いたところ、複雑な内情を語ってくれた。
「個々の記録をつけているわけではありませんが、各校のPTAが学校に指摘をして校則が変わった例がこれまでにあったことは聞いています。
ですが、昨今、PTAも変わってきていて、以前よりも力を失いつつあります。任意団体のため、『加入・非加入』をめぐっての揉め事など、PTA内部の問題にしか目がいっていないというのが現状なんです」
校則をめぐってはまだまだ課題が山積した状態と言えるだろう。学校側と保護者・生徒側ができるだけ対話を行ない、時代の変化に即したルールメイキングがなされていくことを願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班