お見合い企画に応募した理由とは……
集英社オンラインで中川氏のお見合い相手を募集してみたところ、予想を上回るたくさんの応募が来た。その中の一人、家庭菜園を営む42歳のナナさん(仮名)と、実際にお見合いをしてみることになった。
2月某日、少し緊張する中川氏の前にナナさんがやってくる。この日のために中川氏の著作『くも漫。』『探さないでください』『すべりこみ母親孝行』などを読んできてくれたという。
――今回、応募してくださった理由を教えてもらってよろしいでしょうか?
ナナさん 集英社オンラインには「中川先生と一度お話してみたいという方を募集しています」と書いてありましたので、まずはお話から……というような気持で応募させていただきました。もちろん、パートナーを見つけたいという気持ちがあったうえでのことです。
――もともと中川さんのファンだったのですか?
ナナさん それが……中川先生、ごめんなさい。私は漫画とかあまり読まないんです。今回のネットの記事を見て、そこで先生に興味を持ったという感じです。だからこのお見合いが決まった後に、先生の本を読ませていただきました。
――率直に中川さんの漫画を読んでどう思われました?
ナナさん そうですね。まず私はこれまで、本当にあまり漫画を読んでこなかったんですね。読んだことがあるのと言いますと、根本敬さんの作品とか……。
――根本敬さん!?
中川学 私、一昨年前くらい、ちょっと行き詰ったときに、根本先生の塾に行っていたんですよ。まさか漫画を読んでいないというフリからその名前が……。サブカルがお好きなんですか?
ナナさん いやー、私、サブカルは正直よくわからなくて……。
中川学 じゃあナチュラルに根本敬先生にたどり着いたんですか(笑)。なかなかいないですね、それは。
ナナさん 確か、原一男さんのドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』を見たときに、「根本敬さんが好き」みたいなシーンがあったんですね。そこから根本敬さんに興味を持って、漫画を読んでみたんです。
中川学 なるほど。僕はそこまで多く根本先生の著作は読んだことないのですが、前に確か、『美術手帖』で、“根本敬ゲルニカ計画”という特集をやっていましてそれで―――。
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ナナさんのまさかのエピソードをきっかけに、中川氏とナナさんがお見合いの出だしから“根本敬”トークで盛り上がるという珍事が起こった。