「ジキルとハイドの巻」(ジャンプ・コミックス35巻収録)

今回は、両さんのバディのひとりにして交通機動隊の白バイ乗り、本田速人(ほんだ・はやと)の恋愛にまつわるお話をお届けする。

本田は交通機動隊に所属する巡査で、圧倒的なバイクの運転テクニックと厳しい取り締まりで知られている。暴走族の間では「二輪の悪魔」と呼ばれ、恐れられているほどだ。

……とはいってもそれはあくまでバイク搭乗中に限ってのことで、普段の本田は、極めて心優しい草食系&文系男子だ。その豹変ぶりはすさまじく二重人格者を疑われるほどだが、決して2つの人格や記憶を持っているわけではない。

本作のタイトルにある「ジキルとハイド」とは、19世紀後半に書かれたイギリスの小説『ジキル博士とハイド氏』からの引用だ。高名な学者であり資産家でもあるジキルと、平然と殺人を犯す貧相なハイドが、実はひとりの人間だったというあらすじで、人間なら誰もが持ちうる二面性をテーマに取り上げた作品だ。

なお本田は、恋多き男でもある。ただし決してモテ男なわけではなく、すぐに女性に惚れてしまう……というだけのことだ。

「恋のマッドマウス!?の巻」(ジャンプ・コミックス19巻収録)ではガソリンスタンドに勤める女性にデートを申し込み、「ハローグッバイ!の巻 後編」(ジャンプ・コミックス19巻収録)では、両さんがアメリカに出張した際に知り合ったサンディへぞっこんに。なお現在では、白バイ隊の後輩にして売れっ子少女漫画家の乙姫菜々(おとひめ・なな)と晴れて交際中だ。

本作では弁当屋の店員にすっかり夢中になっていまい弁当を買いまくるが、はたしてうまく想いを伝えられるかどうか……!?

それでは次のページから、本田の恋にまつわる幸福と災難の日々をお楽しみください!