“顔選び”のために転売を利用するファンも
また、別のディズニーファンは、日本人による転売の実態について語ってくれた。
「大規模に組織化して行なうのは外国人が多い印象ですが、日本人でも小遣い稼ぎのために個人や友人と協力して転売するケースはよく見られます。それに、転売とは少し違うかもしれませんが、Xで『ディズニー 代行』などと検索すると、手数料数百円でグッズを購入代行している人がたくさんいます。
転売ほど高額ではありませんが、1人ずつや点数ずつ手数料を取ると、全体でお小遣い程度にはなるわけです。でも厳密に言えば、これもアウトですよね」(30代女性・ディズニーファン歴10年以上)
さらに同ファンは、転売を利用してしまう心理についても語ってくれた。その背景には、ここでも特有の“カルチャー”が影響しているという。
「ぬいぐるみやチャームには、縫い付け部分などにわずかな個体差があるんですよ。一見すると些細な違いですが、ファンにとっては『それぞれの顔が持つ個性』として捉えられています。
そのため、自分のお気に入りの顔を探し出す“顔選び”というカルチャーが存在します。だから、買い物カゴに商品をドサッと入れ、ひとつひとつ顔を選別し、選ばなかったものを商品棚に戻す人もいるんです。
こういう人たちにとっては、通販だと、どんな顔のぬいぐるみが届くかわかりません。でも、フリマサイトなら出品者が商品画像をアップしているので、それを見比べて自分の好みの顔を選べる。通販限定が転売対策にはならないと思います」(前出・30代女性)
フリマサイト大手・メルカリは、2022年3月にオリエンタルランドと「安心・安全な取引環境の構築に向けた覚書」を締結し、ディズニー関連グッズの転売対策に取り組む姿勢を表明している。
しかし、締結から約3年が経った現在でも、転売をめぐる問題は依然として続いており、根本的な解決には至っていないのが現状のようだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班