「固定ファンしかいない」立憲の嘆き
そして野党第一党の立憲は、国民民主が看板政策の「103万円の壁」の引き上げを実現する動きを前に、焦りを抱く。
「給食費無償化法案」を維新・国民と共同提出することで野党第一党としての存在感を示すことを狙ったものの、注目は国民民主に集まりがちで、立憲は埋没しがちな状況が続く。
日本経済新聞社とテレビ東京が12月20~22日に実施した世論調査では、立憲の支持率は9%で、国民民主の支持率14%に及ばない。
他社の調査でも国民民主の支持率が立憲を上回る傾向が続いている。衆院選前は、国民民主の支持率が1%という調査も多かっただけに、立憲内では衝撃が走っている。
立憲の若手議員は「有権者は、分かりやすく税金や社会保険料の負担を下げてくれる期待が持てる国民民主になびく。かといって、うちが自民と接近して『部分連合』のようなことをするわけにもいかない。参院選でも固定ファンの票しか獲得できないだろう」と地団太を踏む。
野党のにらみ合いで助けられる石破首相?
こうした野党間のにらみ合いが続くことで、助けられる形となっているのが、少数与党での国会運営を余儀なくされている石破茂首相だ。
「永田町では、石破首相が3月までの予算審議で行き詰まり、自身の退陣と引き換えに予算を成立させるというシナリオもささやかれていました。ですが、野党が一枚岩にならず、とくに国民民主と維新が政策実現のための競争をしている状況だと、野党に政策実現というエサを与えることで予算を成立させる道筋が見えてきます」(全国紙政治部記者)
石破首相としては、大きな山場である予算審議を乗り切り、党内の「石破おろし」の動きも封印し、夏の東京都議選や参院選に臨みたい考えだ。
野党3党と自民党のそれぞれの思惑が渦巻く年明けの永田町。参院選を前に笑うのはどの党か……?
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班