維新・吉村知事と前原共同代表の行き当たりばったり戦略に党内から不満 

一方の維新は、国民民主が103万円の壁の引き上げについての同意書を交わしたこと、立憲が能登の復興費用支出を自民との協議で勝ち取ったことで焦りを見せた。

急遽、教育無償化に関する自公維の協議体の設置という成果を取り付け、補正予算案に賛成した。
ただ、この対応には永田町から冷ややかな声が上がる。

「前原共同代表は、国民民主の玉木氏が自民に接近していることに反発して国民民主を離党したはず。協議体の設置だけで、何も具体的な成果が得られていないのに補正予算案に賛成するなんて、筋が通らない」(野党関係者)

日本維新の会の前原共同代表(本人公式Xより)
日本維新の会の前原共同代表(本人公式Xより)

前原氏と、前原氏と頻繁に連絡を取り合う吉村洋文代表の行き当たりばったり戦略には、党内からも不満が漏れる。吉村知事は12月の代表就任直後は政権との対決姿勢を強調していたものの、国民民主の「103万円の壁」の引き上げ交渉を見て、方針を転換した。

大阪府知事で日本維新の会代表の吉村氏(本人公式Xより)
大阪府知事で日本維新の会代表の吉村氏(本人公式Xより)

 「維新の国会議員団の中には、前代表の馬場伸幸氏に近い議員も多く、かねて大阪から『横やり』を入れてくる吉村氏に反発する声もあります。足元では党内がばらばらになる不安を抱えながら、政権との距離感を測っていくことになるでしょう」(全国紙政治部記者)