DMで告白するZ世代
世代を問わず、私たちはゴシップに夢中です。噂話が楽しくて仕方がありません。ゴシップネタが舞い込めば、誰かに話したくて仕方がない方も多いことでしょう。私自身、やっぱりゴシップは楽しくて、ついつい根掘り葉掘り聞いてしまう方です。
もちろん、それは今を生きる中高生も例外ではありません。休憩時間中、中高生のゴシップネタが飛び交うことは珍しくないですし、気が付くと私も興味津々に話を聞いてしまうことが多々あります。
当世風だなと思うのは、DM(ダイレクトメッセージ)にまつわる話です。友達がDMで、ほとんど話したことのない同級生から告白された、なんてものです。
誤解なきよう記しておくと、ゴシップになるくらいなので、デジタルネイティブのZ世代とはいえ、これは一般的な告白のあり方ではありません。ただし、段階を踏まず、いきなりDMで告白をしてしまうという現象は、特別珍しいものでもないようです。
中高生たちはそれほど驚くことなく、「あー、たまにそういうイタイやついるよね」くらいの感覚で楽しそうに話をしています。
しかしながら、恥ずかしくて意中の子とまともに話ができないなか、清水の舞台から飛び降りるつもりで唐突に告白してしまったなどという話は、世代を問わず見られるもののはずです。
DMという言葉を取り除き、偏見を排してこのエピソードを眺めてみれば、実は大人世代がしてきたことと大差ないことが分かります。
違うのは、欲求を容易に実現するツールにあり、そしてそれがために従来の性質が鮮明になるということです。
Z世代に関する論のなかには、大人との違いを際立たせるものも散見され違和感を覚えますが、本質的に私たちと何ら変わらない部分が沢山あることを忘れてはならないと思います。
むしろ、Z世代を紋切型のワードで理解し接してしまうと、そのことを敏感に察知した彼らから疎まれるような気がしてなりません。
さて、そんな便利なツールであるDMは、これ以上ないくらい、意中の子と接近するのを容易にしています。