野菜は体内の免疫システムを強化してくれる
女性に多いとされる鉄欠乏性貧血も野菜不足とかかわっています。
鉄は血液の赤血球中にあるヘモグロビンのもとになります。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあるので、貧血でヘモグロビンが少ない状態になるとからだは酸素不足になり、頭痛やめまい、立ちくらみなどの症状が現れます。からだが疲れやすくなったり、だるくなったりもします。なお、貧血には巨赤芽球性貧血というタイプもあり、こちらは、ビタミンB12や葉酸の不足が原因でおこります。
疲労感やからだのだるさは、前述の通り、貧血の症状の一つです。また、ビタミンが足りないと、エネルギー源である炭水化物やたんぱく質、脂質を体内で十分に活用できず、エネルギー不足になりかねません。このエネルギー不足が、疲労感やだるさを招いているケースもあるのです。
風邪を引きやすいのも、野菜不足が原因かもしれません。
私たちのからだには、細菌やウイルスといった病原体の侵入を防いだり、戦ったりする機能があり、これを免疫システムといいます。
免疫システムの担い手である免疫細胞は、その70%が腸に生息しているといわれます。野菜不足で腸内環境が乱れていれば、免疫システムがうまく機能せず、風邪をはじめとする感染症にかかるリスクが高まります。加えて、ビタミンAには粘膜を強化する作用が、ビタミンCやビタミンB群には免疫細胞のはたらきを助ける作用があり、これらのビタミンが野菜不足により足りていないと、免疫システムがさらに弱くなってしまいます。
すべての不調の原因が野菜不足だということはありません。つらい状態が続くようなら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
ただ、野菜不足が心身の不調の引き金になる可能性があることは間違いありません。「最近、なんだか調子がよくないなあ」と感じているのなら、野菜不足になっていないか、1日350gの目安量などを参考に自分自身でチェックしてみてください。