党4役、閣僚経験者が相次いで落選

大幅に議席を減らし、憮然とした表情の石破首相(写真/共同通信社)
大幅に議席を減らし、憮然とした表情の石破首相(写真/共同通信社)

今回の選挙は、自民党派閥の裏金問題や、非公認とした候補者側への2000万円の活動費支給などによる逆風が響き、大物議員が続々、落選。

東京11区では、これまでに文科相や党の政調会長を歴任した下村博文氏(70)が、無所属で出馬するも落選。これまで選挙区で負けなしの9連勝を誇ったが、今回は「政治とカネ」、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題のW逆風を受け、10期連続の当選とはならなかった。

10期連続当選とはならなかった下村氏
10期連続当選とはならなかった下村氏

東京7区では、環境相や五輪相を歴任した丸川珠代氏(53)が落選。丸川氏は政治資金報告書にパーティー券収入の不記載が判明。今回の選挙で党から公認は得られたが、比例代表への重複立候補は認められなかった。

「丸川さんは選挙終盤、街頭演説で涙ながらに『お助けください』と訴えたことが話題になったが、結果的にあれも逆効果になった」(政治部記者)

「お助けください」の訴えも届かなかった丸川氏
「お助けください」の訴えも届かなかった丸川氏

福岡11区では、8選を目指した自民・前職の武田良太氏(56)が落選。2003年以降、7期連続で勝利してきた武田氏だったが、今回は裏金事件で党の役職停止1年の処分を受け、厳しい戦いを強いられた。

神奈川20区では、自民党の重鎮である甘利明元幹事長(75)が、立憲民主党の大塚小百合氏(44)に敗れ、落選。甘利氏は比例代表候補の「73歳定年制」に該当し、重複立候補しなかった。

福井2区では、元党国対委員長で安部派幹部「5人衆」にひとり、高木毅氏(68)が9選を目指し無所属で出馬もあえなく落選。保守王国といわれる福井県の小選挙区で、「非自民」の議席獲得を許したのは28年ぶりとなった。