托卵相手と“契約”を交わしたサラリーマン

また、こんなケースもある。

近畿地方在住の本川正樹さん(46歳・仮名)は「自分は托卵相手に任命されているんです」と話す。どういうことなのか?

「昔の女性の部下に『子供が欲しいんで精子ください!』というLINEをもらいました。彼女は今、東京在住で、婚活中だけどいい相手がいないそうで、せめて子供だけでも欲しいから…と」

彼女は契約書も持参、そこには「口外しない」「養育費は一切もらわない」「認知はしない」と書かれていた。

「とりあえず署名捺印してもらって、写メだけ撮って、書面は預かってもらってます。こんな紙持っているほうが怖いから(苦笑)」

本川さんは既婚者で一人息子がいる。夫婦仲は円満だが、SEXレス。彼女の提案に「男として評価されているんだ」と自信を取り戻したそうだ。

「お小遣いが少ない僕のために食事代やホテル代は割り勘。東京からわざわざこっちに来てくれて中出しができる。正直、悪くないですよね」

だが、最近ネットで「托卵妻」という言葉を知り、青ざめたそうだ。

「彼女は子作りしながら婚活して『出会った中でいちばん条件のいい男に、“あなたの子を妊娠した”と言って結婚する』なんて言ってますが、そんなにうまくいくんでしょうか…? この話を友人にしたら『そんなにうまくいくはずない』『今すぐやめたほうがいい』と非難ごうごうでした」

本川さんと彼女の関係はもう1年に及ぶ。最近は結婚を視野に入れた彼氏もできたというが「子どもは本川さんの子がいいの」と、関係の解消が難しいそうだ。

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「今さらながらなぜ、僕だったのだろうかと思いつつ、性欲に負け続けています…万が一妊娠してしまった場合、契約書は有効なんでしょうか…」

托卵妻事情に詳しいライターの亀山早苗氏が言う。

「一般的には托卵で産まれた子は4~6パーセントくらいといわれていますが、産婦人科の医師に聞いたところ、『実際は10パーセントくらいになるのでは』と話す医師も複数いました。DNA鑑定が昔より簡単にできるようになったことが抑止になるのかというと、必ずしもそうではないようです。

夫という種族は、よほどのことがない限り、妻を信じたい、自分の子だと信じたいという気持ちが強い。別のことで夫婦仲が壊滅的になればDNA鑑定をしようと思うかもしれませんが、疑いだけなら、特に告発しようとはならないケースが多い。

逆に覚悟を決めた女性は強い。『私の子にはかわりない』と強い意志をもつ女性であれば、夫ともうまくやっていこうとするはずです。男は信じるしかない、というのがちょっとせつないですね」

今後も托卵された子供は増えていくのだろうか。

 取材・文/吉沢さりぃ