レコーディングは録り直していた

――谷村さんといえば『JUNGLE DANCE』が代表曲だと思いますが、最初の印象は戸惑いが強かったそうで?

谷村奈南(以下同)そうですね。私はもともとR&Bとかソウルフルな音楽が好きでずっと聴いてきたのですが、歌ったことのないジャンルの楽曲だったので少しびっくりして、「これ私が歌うの⁉」という感覚でした。

楽曲が決まり、「次はラテンの曲を歌うんだな」と受け止めましたね。当時は、まだ自分で楽曲製作もしていなかったので、これをいかにより良く歌っていくか、どんなふうに歌っていこうかなと考えていました。

女子大生時代から音楽シーンで活躍する谷村奈南
女子大生時代から音楽シーンで活躍する谷村奈南
すべての画像を見る

――具体的に、歌うときにはどのような工夫を?

実は、レコーディングでは私の希望で録り直してるんです。他の曲に比べあまりキーが高い曲ではないので、自分のソウルっぽい歌い方というか、 分厚いような声が目立ってしまう最初のものは、楽曲とボーカルのカラーが合っていないなと思って。わざと薄めにというか、そういうテイストの少し若い声でもう1度合わせて録りました。

――キャリアが浅い分、周りの大人に意見を言うのは勇気が要ったのではないでしょうか。

当時は大学生で、「こんなこと言ったら怒られるかな……」と思うことは多かったです。録り直しについても勇気が要りましたが、「楽曲においてこれはちょっと譲れない」というところは頑張って伝えた記憶があります。

でも、難しいですよね。「ここはこだわりたい」と思っても、大人の世界ではそれがワガママだと受け止められることもある。とはいえ、「この楽曲を良くしたい!」というのは共通の望みなはずですし、どうしても伝えたかったです。