「希代のワル」が抱く、母への思い
芸能界でのキャリアは、俳優・梅宮辰夫の愛娘・アンナ(52)との交際スキャンダルに見舞われるなど、浮き沈みの激しいものとなった。
ある種の「イロモノ」として独特の認知度を得た羽賀容疑者には、カネ絡みのトラブルも付きまとった。
2000年代中頃には、今回の事件の舞台ともなった北谷町で飲食店オーナーを務めたが、その後、飲食店は閉店の憂き目に遭った。
2007年には未公開株の売買をめぐる詐欺事件に関与したとして大阪府警に逮捕され、最高裁まで争ったあげくに懲役6年の実刑判決が確定し、沖縄刑務所に収監された。
2019年に再び逮捕され、21年に出所。それからわずか3年で3回目の逮捕となった。
梅宮アンナとのスキャンダルの渦中、アンナの父・梅宮辰夫は羽賀容疑者を「希代のワル」と罵倒したが、その言葉通りに人生の軌道を外れ続ける羽賀容疑者。
ただ、取材時に筆者に明かしていた母親への思いは確かだったようにも思うのだ。
米国に帰る父親についていかずに沖縄に残る選択をした母親について聞いたとき、羽賀容疑者はこう話した。
「お袋が、なんであんな風に1人でがんばってたのか。オヤジについていけばよかったんじゃないかと言うかもしれない。
でも、そうしなかった。やっぱり俺のことを考えてくれてたんだろうと思うんです」
羽賀容疑者は、芸能界デビュー直前の1980年に宜野湾市で2階建ての家を建てている。
数々の事件で芸能界を追われた羽賀容疑者は、この家で年老いた母親と同居していた時期もあったという。
登記簿を確認すると、何度かの差し押さえを受けながらも自宅を所有し続けている。物件には一時、羽賀容疑者が代表を務める会社が抵当権を設定していた。
社名は、「リッチアンドフェイマスインターナショナル」。馬鹿馬鹿しいほどにあけすけなその名前は、虚飾にまみれ、カネに翻弄されながらも、這い上がろうとする羽賀容疑者の哀しい生き様を象徴しているかのようだ。
取材・文/安藤海南男
集英社オンライン編集部ニュース班