「麻里愛(マリア)のとんでも父さん登場!の巻」(ジャンプ・コミックス68巻収録)

今回は、マリアとその父である植木流翻堕羅拳(うえきりゅうほんだらけん)総帥・麻里晩(あさと・ばん)が激しい肉弾戦を繰り広げるお話をお届けする。

今作が発表されたのは、1989年。

1970年代に『ドラゴン危機一発』などで香港のカンフー(中国武術)映画でスターとなったブルース・リーが、世界各国で大人気に。中国拳法ブームを巻き起こした。アクション俳優の倉田保昭(くらた・やすあき)が「和製ドラゴン」などと呼ばれ、主演した映画やテレビドラマも登場するように。

1980年代になると、香港映画界から、ジャッキー・チェンが大スターに。コミカルで娯楽性に富みつつ壮絶なアクションを繰り出すカンフー映画を、次々と大ヒットさせた。日本では一大カンフー映画ブーム、ジャッキーブームが巻き起こり、ジャッキーは少年少女の憧れの的に。サモ・ハン・キンポーの『燃えよデブゴン』など、ジャッキーのコメディ路線をより押し進めたコメカンフー映画も登場していった。

その人気ぶりは、テレビアニメ化されて高い人気を誇った『シティーハンター』が、ジャッキー主演で実写映画化されるなんていう珍事が起こるほどのものだった。内容は、日本の新宿を根城にする拳銃使いの探偵である主人公・冴羽獠(さえば・りょう)がなぜか香港で肉弾アクションをするという……。

本作は、そんな時代に描かれたエピソードだ。

「香港大チェイスの巻」(ジャンプ・コミックス66巻収録)より。香港旅行に出かけた両さんと本田が、ジャッキー張りのアクションを繰り広げたことも。香港名物の二階建てトラム(路面電車)を使ったシーンは、ジャッキー映画さながらの迫力!
「香港大チェイスの巻」(ジャンプ・コミックス66巻収録)より。香港旅行に出かけた両さんと本田が、ジャッキー張りのアクションを繰り広げたことも。香港名物の二階建てトラム(路面電車)を使ったシーンは、ジャッキー映画さながらの迫力!

それでは次のページから、マリアとその父の、拳法を駆使した壮絶な親子ゲンカをお楽しみください!!